第128話「天文学に興味はない」


暁匠馬。彼は天文部に入りたいと言って、天文部の部室に来ている。


が、恐らくそれは本心ではないのだろう。



「暁、、、もしかして、天文部の顧問が夕凪先生だから入部したいって・・・こと?」


「もちろん」


「天文学に興味は・・・」


「ない」



そうですよね。夕凪先生がかわいいって言った時点から察してました。


とはいえ、天文部の本来の顧問は夕凪先生ではない。


そこをきちんと説明して、彼にはご退場願おう。


俺は大人数が嫌いだ。


特に、匠馬みたいな陽キャとはあまり関わりたくはない。


何と言うか、無駄に気を張ってしまうからだ。



「なぁ暁」


「なんだ?」


「一応言っておくけど、夕凪先生は正式な顧問じゃないからな?」


「あ、そうなの?」


「あぁ。本当なら、天文部の顧問は岩船先生なんだ」


「あー、あのおばさん・・・」



岩船先生のことをご存じだったようです。


印象はおばさんのようですが・・・。



「女性のことをおばさんって言わないのよ?」



と、唐突に聞こえるそんな声。


そして、いつの間にか開かれていた部室のドア。


入ってきたのは、顧問の夕凪先生だった。



「あ、夕凪先生」


「お待たせ。おばさんって言った悪い子は君かな?」


「はい。暁匠馬です!」



元気のいい声だ。


何と言うか、態度が一変したな。


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