第126話「クラスメイトの陽キャさん」
国道の橋の下。
感傷的な気分になっていたら、身に覚えのない男子に話しかけられた。
「んじゃ、自己紹介。俺は暁匠馬(あかつきたくま)。お前と同じクラス」
「え、同じクラス・・・?」
「そうだ」
そうらしいです。
クラスでは最陰キャを極めているので、クラスメイトにどんな人間がいるかなど把握していない。
ゆえに、目の前にいる匠馬のことも知らなかった。
「んで村上、これはなんだ?」
と、チャラそうな言い方。
「あ、えっと・・・」
「ここで誰か、死んだのか?」
花を二度見すると、先程のチャラい感じとは程遠い真剣な面持ちで言う。
「ま、まぁ・・・」
「そうなのか」
そう言うと、腰を下ろして、花に向かって手を合わせる。
陽キャなんて、チラチラしてるだけでろくでもない奴らだと思っていた。
でも、こういう人間もいるんだな。
「花をたむけるぐらいなんだから、知り合いなんだろ?」
「ま、まぁ・・・」
「そっか、邪魔したな」
「い、いや・・・別に」
「ところで村上」
「あ、はい」
「お前、天文部だよな?」
「は、はい」
急な話題の方向転換。
おどおどとした返事しかできなかった。
「顧問、夕凪先生なんだろ?」
「そ、そうですね」
「ね、俺も天文部に入りたいんだけど!」
「は、はい・・・?」
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