第98話「料理はしません。だってできないから」


勉強というのはつまらないものである。


つまらないものに取り組んでいる時間は、感覚的にとてつもなく長く感じる。



「わたし、頭が良くなった気がする!」


「数時間の勉強で天才になれたら、みんな苦労してないんだよなぁ」



感覚的には3日ぐらい経過しただろうか。でも、実際は数時間だ。


窓の外を見て、ようやく気が付く。外は真っ暗だ。



「んで、どうするの? 友彦」


「どうするって?」


「夕飯」


「あー、、、」



今から帰ってもいいが、それにしては遅い。


お腹も空いてきているし、食べて帰ってもいいのかもしれない。



「なにかあるのか?」


「あると思う?」


「ないんですね」



セシルの家には、何もないそうです。


となると、必然的に外食になるわけだが・・・。



「どっか行きますか」


「えぇ。わたし家で食べたいなぁ」



と、わがままを言う人がここに一名。



「家で食べるって言っても、何もないんでしょ?」


「頼めばいいのサ」


「あれ高くつくじゃん。だったら買い物しに行った方が良き」


「ならそうする?」


「そうしますか」



ということで、二人で家を出る。


俺はそのまま帰った方がいいのでは? と、途中で思ってしまったが、口には出さずにセシルと夕飯を食べることに。


ファストフード店で適当に夕飯を買い、そのままセシルの家に帰宅。


一度はそのまま家に帰ろうかと思ったが、友達と食べるメシは、案外美味しいものだと感じた。


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