第96話「突然の告白」


セシルが赤面した理由は分からなかったが、恥ずかしいということは、人には言えないこと。


なので、深掘りするのはやめておいた。


んで、今日セシルの家に来た理由というのが・・・。



「よし、勉強するよ」


「そ、そんな・・・」


「いや、それが目的でしょ?」



学年末試験。それの勉強会だ。



「友彦、君がガリ勉だとは思わなかったよ」


「俺も勉強は嫌いだよ」


「ならどうして?」


「テストで赤点とったら、進学できなくなるぞ」



というか、この勉強会を企画したのはセシルなんだがな。



「わたし進学する前にヨーロッパ帰るから関係ない」


「え、そうなの?」


「しらなかったの?」


「1年いるって聞いてたはずだけど」



セシルが日本にやって来たのは、たしか9月か10月あたり。


進学しないということは、4月上旬には帰国するということ。


1年間滞在すると聞いていたが、それだと半年になってしまう。



「まぁ色々あってね」


「あ、予定変更?」


「ソウイウコトニシテオク」



絶対言い間違えただけな気がする。


とはいえ、てっきり夏ごろまでセシルが日本にいると思っていたからな・・・。


春と言ったら、もう1ヶ月ほどしかない。


元々1年で期間は短いが、1ヶ月となると残りわずか・・・だな。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る