第77話「今年のクリスマス(後編)」


「うーん・・・あ、あれがいいかも」



セシルの目線の先には、ショーケースがあった。



「入ってみる?」


「うん」



ということで、入店。


そのお店は、アトリエ工房のようなお店。


布や糸などの手芸品と一緒に、可愛らしいぬいぐるみなんかも売っている。



「あ、これこれ」


「これがほしいの?」


「うん」



セシルが手に取ったのは、クマさんのぬいぐるみ。抱きかかえるとちょうど良いサイズのやつ。



「わかった、これプレゼントするよ」


「ありがと。でさ」


「ん?」


「もしよかったら、もう一つ買ってくれない?」


「二つ?」


「うん。友彦とお揃いがいいな」


「お揃いって・・・ぬいぐるみが?」


「うん」


「ま、まぁ・・・いいけど」



セシルがどういう意図でそんなことを言ったのかは分からない。


そして、まぁいいけどと言った俺の思考も分からない。


ぬいぐるみは一つで3000円もしていたので、お二つで6000円になりますね。


タカイ。



「ありがと」



店を出て、お礼を言われる。



「まぁ、こっちも貰ってるからさ」


「それでも嬉しいよ」


「喜んでもらえたのなら、何より」



セシルの笑顔に、俺は頬を赤らめる。


ちなみに、俺の手元に残ったクマさんのぬいぐるみだが、一応部屋に飾っておきました。


だって、ぬいぐるみってインテリアに使うものでしょ?


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