第75話「今年のクリスマス(前編)」


終業式のちょっと前にやって来るイベントというのが、クリスマスだ。


24日から25日にかけての行事ではあるが、非リアの俺にとっては縁もゆかりもない話。


というか、日本的には普通の平日であり、普通に学校もあって、普通に部活もある。



「はいこれ」


「え、なんですか?」



部室で、セシルから箱状の・・・いや、普通の箱を貰った。



「ほら、今日クリスマスでしょ?」


「そうですね」


「だから」


「はい?」



もしかしてこれが、クリスマスプレゼントってやつなのか?



「はい、先生のも」


「私にもあるのか?」


「もちろん」


「そうか。ありがたく頂戴するよ。でも、私は用意してないぞ」


「あ、それ俺もです」



クリスマスにそれっぽいことをした経験がないから、プレゼントとか眼中にすらなかった。



「別にいいよ。私の自己満足だから」



そうは言うが、だからと言って貰いっぱなしもよくない。


黙って聞いている岩船先生だが、明日にはプレゼントのお返しプレゼントを用意すると予測する。


と、言うことなので・・・。



「岩船先生」


「なんだ? 村上」


「今日の部活、これで終わりにしてもいいですか?」


「いや、何も活動してないが・・・」


「なら、今日は休みということで」


「なにか用事でもあるのか?」


「はい。ちょっとセシルと」


「エ、ワタシ?」


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