第44話「新たなる部員」


とても気まずい。


部室には、俺とセシル・ド・モンクティエと名乗る女の子がいる。


んで、お互い黙り込んでいるから、気まずい。


そんな状態が約10分。静かな空間に、足音が鳴り響く。


それが岩船先生のモノだと気づくのに、時間はかからなかった。


水の中から呼吸を求めて這い上がるように、ドアを勢いよく開ける。



「先生!」


「どうした。そんなに慌てて」


「中に・・・中に西洋人が!?」


「おう。とりあえず落ち着こうか」



ということで、部室に入って詳しい話を聞くことに。


岩船先生も、彼女のことは「誰ですか?」って感じらしい。



「えぇっと・・・きみ、名前は?」



と、そっから入り、しばらくおぼつかない日本語で彼女との話が進行する。


所々に意味不明な言葉が聞こえたが、要約すると・・・。



「つまり、入部したいってことか?」


「はい」



らしいです。



「見ての通りだが、ここには顧問の私と村上って生徒しかいないぞ?」


「はい」


「天文学に興味があるのか? そんなに本格的なことはできないが」


「はい」


「おい村上」


「なんですか?」


「味方との通話が困難です」



そんなネタボイスを言われてもなぁ・・・。



「はいって言ってるんだから、理解してるんじゃないんですか?」


「リカイシテマス」


「ほら」



少し不安なところはあるが・・・。



「本当に天文部に入部でいいんだな?」


「はい」



先生が入部届の紙を差し出すと、そこに必要項目を記入して提出。


ということで、天文部の部員が増えました。


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