第16話「郵便のお仕事(部活動)」


「それで、その男子数人ってどんな奴なんだ?」



ゴールデンウイークが明け、学校が始まる。


すると部活動も再開するわけで、放課後の部活の時間、ゴールデンウイーク最終日の出来事を岩船先生に相談してみた。


平林さんは岩船先生に対して、絶大な信頼を置いている。だから、先生になら相談してもいいと判断しての行動だ。



「えーっと、俺ぐらいの人ですかね? 高身長だったので、年上に見えましたけど」


「そうか・・・」



はぁ・・・と、ため息が出る。



「思い当たる節でもあるんですかね」


「まぁ、ちょっとな」


「平林さんって、高校時代とかに何かあったんですか?」


「なにか、とは?」


「えっと、岩船先生に対する絶大な信頼感もそうですけど、今回の件に関しても、ちょっと気になるところが多くて」


「気になる気持ちはわかるが、あまり詮索するようなことはしない方がいい」



平林さんは、岩船先生の口から説明してくれるのならそれでいいと言っていた。


しかし、その岩船先生は話す気がないようだ。



「村上、質問してもいいか?


「あ、はい」


「平林のこと、どう思ってる?」


「どう・・・とは?」


「彼女に対して、どう思ってるか。それを訊かせてくれ」


「そう言われましても・・・岩船先生と仲がいい卒業生?」


「そうか。ならもう一つ訊こう。彼女の家を知っているか?」


「まぁ一応」



つい昨日のはなしになるが、平林さんを家まで送り届けたことがある。


その際に、初めて彼女の家を知った。


でも、なんでそんな質問を?


そんな疑問が頭によぎったが、その疑問を質問しようとする前に、先生は一枚の封筒を渡してくる。


その封筒は、お金を入れるような縦長の封筒ではない。


手紙などを入れる横長の封筒だ。



「なんですか?」


「彼女の家に行ってやれ」


「え、これからですか?」


「あぁ。今日の活動はそれでいいだろう」


「天文関係なくないっすか?」


「細かいことを気にするでない」


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