第10話「実は面倒くさがり?」


天文部の活動日数は、週に3回だ。


そして今日は、活動日ではない日。


活動日ではないが、活動場所である例の狭い教室へ足を運ぶ。



「あれ、どうした村上」



教室のドアを開けると、先客で岩船先生がいた。



「えっと、暇なので来てみたんですが」


「そうか。好きにしていくといい」


「先生は、いつもここにいるんですか?」


「そうだな。そうだと思ったから、君も来たのだろう?」


「まぁ・・・そうですけど」



岩船先生は、ソファーでくつろぎながら、手には黒猫が描かれたマグカップを持っている。



「お前も飲むか?」


「あ、はい」



唐突に言われたが、理解が追い付かない。


立ち上がった先生は、紙コップに粉とお湯を注ぐ。


そうしたら、マドラーを突っ込んで俺の目の前に置く。



「ありがとうございます」



湯気がでる紙コップの中は、黒い液体。


恐らくコーヒーだろう。


軽くかき混ぜ、そして口にする。



「にがっ・・・」


「苦手だったか?」


「ブラックはちょっと」


「すまない。砂糖はないんだ」


「先生はブラック派なんですね」


「こだわりがあるわけではない。砂糖やミルクを入れるのが面倒なんだ」



そのわずかな作業ですら面倒くさがるんですね。


仕方がないので、校内にある自販機で紙パックの牛乳を買ってきました。


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