第23話



 2次会から帰るとモトキは直ぐにベッドに倒れた。


「未知のウイルスを使う」


独り言のように呟く。


そこへモトキのスマホが鳴る。


相手を見ると自分の彼女からだ。


「はい」


と答える。


「バーベキューは楽しかった?」


「うん」


とだけ答える。


「最近、あんまり話してないね」


「うん、そうだね」


「仕事、忙しい?」


「まぁまぁ、だけどね」


「そう。今、疲れてる?」


「うん、酔ってしまってね」


「たくさん飲んだんだ」


「・・・・・・・・。」


「また、電話するね」


「うん、ごめん、もう寝るよ」


「おやすみなさい」


「おやすみ、ごめん」


そう言って電話を切った。


 最近、仕事のことばかり考えて、彼女の存在を忘れがちである。そうなのか?違う、研究のことで頭がいっぱいだ。研究に没頭したい。今の彼女の相手をする時間さえも惜しい。


 彼女が邪魔だ。

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