EPISODE8 『ほんの少しの変化』

 みんなが楽し気にソレ、と呼ばれるものをバズーカで空に向かって発射した。ポスンッ!という音と共に空高く昇っていくソレを見て、何となくもう落ちてくるなよ、なんて思った。


 その時自分の中から、前に自分の中に消えていったあの透明なソレが出てくる。ソレを見ると前と何か変わったようには見えなかったけど。


 「あー!」

 突然、大声がしてびっくりした。声の方に目をやると、丸メガネをかけている……恐らくシカク?がボクの透明なソレを指さしている。

 「フゥロ!なんか、前よりもそれ、ちょこっとだけ透明じゃなくなった感じがします!」

 「「「「「ほんとに!?」」」」」

 他のみんなも一斉に自分の抱えているソレを見つめてくる。だけど他のみんなは『そうかなぁ……?』と頭を捻るだけだった。


 「何となくですけど。完全に透けている、というよりは靄がかかっているかのような感じになっています。でもまだ、色まではわかりそうにないですね……」

 シカクはそう言って『だけど前より何か、前進した感じですね!』と力強く言って笑った。自分はというと、ソレを再び持て余してしまって、どうしよう……と思っていた矢先、また勝手にソレは自分の中へと消えていった。


 「やっぱり、ボクらとしばらく一緒に居たら、何かわかるかもしれないね」

 アノコがそう言う。アノコが言うなら、きっとそうなんだろうな、となんとなく思った。

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アノコの世界のCASE1:『ありがとう』にも種類があって CHOPI @CHOPI

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