第40話 近衛アルタクス
「アルタクス、テリアが!テリアが大変なの!」
「これは?!」
イケメンが、倒れている女性のところに駆け寄ります。オルデアンちゃんがその後を追います。私もホバリングして、イケメンの頭の上から、その様子を伺います。イケメン効果で女性が助かるのなら、ベリーグッドですが、どうでしょうか。
「ゴホッ、ゴホッ」
「テリア!?これは……
「アルタクス!テリアを、テリアを助けて!」
あ、イケメンが、腰に着けたミニバッグから、何やら小瓶を取り出します。お薬かしら!?
「テリア!解毒剤だ。飲めるか!?」
「ごほっ、ア、アルタクス……様、ごほっ」
女性はなんとか頷きながら、小瓶の薬を飲みました。あ、咳が止まって落ち着いてきました。薬が効いたみたいです。女性はそのまま眠ってしまいました。
「アルタクス、テリアは!?」
「危ないところでしたが、解毒剤が間に合ました。もう、大丈夫です」
「アルタクス!有り難う。スプリング・エフェメラル様、今日の幸運を感謝致します」
オルデアンちゃんが神に感謝です。神に祈りを!
さて、ピンチはイケメン効果で乗り切りました。さすがはイケメンです。イケメン俳優2022ベストワン○○流星 よりイケメンですから、最高です。はあ、触って堪能したいわぁ。
「オルデアン様、ここは一体何処でしょうか。私は幻覚でも見ているんでしょうか?」
あらあらあら、イケメンが花畑を見回して、ワカメ、もとい、我が目を疑っております。ほほほ、きれいでしょう?わたくしの花畑で御座いますよ。存分に堪能下さいませ。
「幻覚じゃないわ。スプリング▪エフエメラル様の
「
さて、ようやく私の出番ですか。真打ちは最後にやって来るのですよ。イケメンさん!刮目せよ、私がカーナ▪アイーハです!
私は、イケメンの頭上から一気に目線の位置に降り立ちます。
「はいはい、イケメンさん、私がカーナ▪アイーハですよ。じゃじゃじゃーんです」
あら、イケメンさん、反応が薄いですね。近眼で見えてないのかしら。んん?よく見たら、目を丸くして驚いてフリーズしてるだけ?あらら、大丈夫かしら。私は、イケメンさんの目元で手を振ってみせます。
「もしもーし?」
「スっ」
「す?」
あ、喋った?
お酢?
酸っぱいものが欲しいの?
妊婦さんかしら。
「スプリング▪エフエメラル様?!!」
「きゃう!?」
ひゃう、イケメンがいきなり、凄い迫力で叫びました。近くだったから、耳の鼓膜が痛いです。私は耳が痛いので、慌てて花畑の中に避難です。だってキンキンして、今は何も聞こえないんですから!
近くにいる時はボリュームを下げてーーっ!
あ痛たたた、はあ、取り敢えず、耳が治るまでここで待機しましょう。私は菜の花の葉の陰で一休みです。
「ーーーーーーーーーーー!?」
「ーーーーーーー!!」
はあ、何を言ってるのか判りませんが、私を呼んでるんでしょう。けど、耳が治らないと、お話も出来ません。仕方ないですよ。
◆◆◆
アルタクス視点
「
オルデアン様が呼んでおられるが、あのお姿は間違いなくスプリング▪エフエメラル様のお姿。
私が十三歳で近衛に選ばれる時、城の禁書庫で見たスプリング▪エフエメラル様の姿絵に瓜二つのお姿だった。信じられない。
▩▩▩
七年前
テータニア皇国
皇城禁書庫
その日、私アルタクスは、禁書庫にて近衛になる最後の試練を、マスター▪ラクネスから受けていた。
「アルタクスよ、今から近衛としての試練を授ける。心して聞くがよい」
「はい、マスター▪ラクネス」
私がマスター▪ラクネスに跪いて見上げる。それでもローブに包まれた、顔の見えないマスター▪ラクネスは、目の前の書籍の並んだ本棚に向かい、その両手を広げた。
『ラプツェル』
ゴゴゴゴッ
マスターが呪文を唱えると、目の前の本棚が左右に開いていく。ここは王族か、それを守る近しい人物しか入る事が出来ない。
「アルタクスよ、ここはこの国の創成に関わる資料が眠る、重要なところ。今からお前には、ここで近衛になる為の試練を受けてもらう。初めに聞いておく。ここを進めば二度と後戻りは出来ぬ。今なら試練を途中で諦め、普通の騎士としての日常に居る事が出来よう。如何する?」
「私は、オルデアン様に剣を捧げると決めております。如何なる事があろうと、前に進むのみです」
「その選択が王族と同じ、
「
「……王族は取り返しのつかない
「はい、私は全てを捨てる覚悟でこの試練に望んでおります。今さら後に引くつもりは有りません」
「よかろう、ならば、試練の道を今、開かん。カーテ▪アイーハ」
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