第19話
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(主人公画像、近況ノートにて公開中)
◆カーナ▪アイーハ視点
『ああ、ほ、ほら、大丈夫。痛くない、痛くない』
「ぐすんっ、ぐす、ぐす、えっ、ひっく、ぐすん」
ああ、やっと悲しい気持ちが収まってまいりました。
ふう、とんだ
私が心配してお世話していた女の子に、逆に心配されて、今は抱っこされております。
ミイラ取りがミイラになった気分でしょうか。
まったく、情けない限りです。
それにしても、こんな基本的な事が
お約束のご都合主義は、いったい何処へいってしまったのでしょう。
はあ、急に現実に引き戻された気分です。
はい?
何が
はい、こういう事です。
次の言葉は、なんと読みますか?
5択でお答え下さい。
Я не розумію мови
①こんにちわ②こんばんわ③読めない④言葉が解らない⑤読めるかよ、ふざけんな
はい、⑤を選択した、あなた。
不正解です。
ほら、こういう事なんです。
本当に困りました。
はい?
はあ、分かりましたよ。
では、
【女の子の言葉が解りません】
という訳で、正解は④になりますね。
因みに、ウクライナ語でございました。
あ、正解していた方、大当たりです。
あとで
まあ、とにかく現実では
だって、ほとんどのラノベは、ごく自然に主人公が 悪役令嬢に
まあ、物語の都合上、
はい?
なんで、ほとんどのラノベが悪役令嬢で婚約破棄なんだって?
さあ?カクヨムに聞いて下さい。
因みに現実の日本における、婚約破棄がどのくらいあるかですが、婚約破棄の正確なデータはありません。
ただ、国内の離婚率を見てみると、平成29年の離婚件数は21万2262件。婚約は離婚に比べると手続きのハードルが低いので、さらに件数が多い可能性が考えられます。(厚生労働省)
いや何また、脱線してんだよ的なお便りが多く寄せられましたので、この辺で『お
そういう訳で、予想するべきでしたが、
ワレワレハウチュウジンだ、では、ありません。
私、本気で困っているんです。
はあ…言葉が通じないって、こんなに大変なんですね。
何が大変って今、私、抱っこされてるって、言いましたよね?
それで私、泣き止んだじゃないですか。
だから、「
しかもニコっとして、ゆらゆらと左右に揺らされて、またまた、お
まだ、お
ああ、この至福の時、ドンブラコ、ドンブラコって舟を漕いでいる場合ではありません。
こらーっ、揺らすなーっ、私は抱っこちゃん人形ではありまZZZZZ。
は?!私は何を?
今一瞬、記憶が飛んでましたよ。
なんか、お花畑を歩いていた気がします。
あ、自分がいるところが、お花畑でした。
でじゃぶ、でしたね。
どちらにしても、このままでは
どうしましょうか。
そうだ!
羽根を動かせば、女の子から離れられるかも知れません。
さっそく、やってまいりましょう。
それ、パタパタパタパタパタパタパタパタパタパタパタパタパタパタパタパタパタ…
はあ、はあ、はあ、はあ、はあ、はあ
なんか、
何の意味もありません。
まあ、女の子は気持ち良さそうでしたよ。
私は、これだけでも持久走1500メートル走ったのと変わらないくらい、ぜはぜはしておりますが。
ところで学校の校庭は、どこでも7・5周で1500メートルなんですかね?
どうでもいいですか。
そうですか。
はあ、もはや、打つ手無しです。
女の子が、飽きるまで待とうホトトギス。
もう、どうにでもなれーっ。
『
『?!』
「はっ?!ヒューリュリ様!」
ま、不味いです。
この体制は、非常に不味いです。
あの、
絶対に、誤解をするに決ってます。
『
やっぱり。
あ、女の子が震え始めました。
私にとっては、まるで地震体験アトラクションです。
声がブレます。
「ワワレレワワレレハハウウチチュュウウジジンンダダ」
はい、発声テストは不可。
あちゃーです。
女の子は私を抱えながら涙を浮かべ、ジワりジワりと後ろに後退ります。
もう、こんなに怖がらせるなんて、ヒューリュリ様?後でお仕置きですよ。
う、女の子が私を、ぎゅっと強く抱きしめます。
うぐ、苦しい。
このままでは、お尻から実《み》が出てしまいます。
只でさえ、抱っこちゃん人形と化した今の状況で、この上さらに
いや、精神的に死にますね。
確実に立ち直れないでしょう。
だから…だから…ヒューリュリ様?
私が精神的死を迎える前に、女の子に対するその猛獣顔を止めましょう。
だから
「
◆◆◆
◆オルデアン視点
「ああ、ほ、ほら、大丈夫。痛くない、痛くない」
『ぐすんっ、ぐす、ぐす、えっ、ひっく、ぐすん』
やっと、女の子が泣き止んでくれたわ。
よかった。
こんなちっちゃい子が泣いてるなんて、とっても辛いの。
ほらほら、抱っこして揺らしてあげると、安心するのか、眠りそうになっちゃうわ。
とーっても可愛い。
お城の私の部屋にある、お気に入りミリーちゃん人形より、ずっと、ずーっと可愛いわ。
お城に、いっしょに連れていきたい。
んん、絶対、絶対連れていくわ。
御使い様、どうか私といっしょに来て下さい。
私と暮らしましょ。
お父様、お母様を紹介するわ。
それで、アルタクスとテリアも紹介したい。
皇都は広いの、沢山の人が住んでるわ。
こんな雪はないし、この森なんかより、とっても明るくて、暖かいのよ。
きっと、きっと気に入るわ。
『
あら、この子、何か喋っているけど、まったく意味が解らないわ。
どうしたいのかしら。
きゃっ、急に羽根を動かして、なんなの?
風が顔に当たってくすぐったい。
イタヅラをしているのかしら。
そういえば皇国の本に、妖精はイタヅラ好きだって読んだ事があるわ。
じゃあ、この暴れてるのは、私を困らせようというイタヅラのつもりなのかしら。
可愛いイタヅラね。
この子、温かくて、髪もサラサラで、手触りがいいわ。
「私はオルデアンよ、あなたの名前を教えて」
あ、思わず聞いてしまったけど、言葉が解らないのだったわ。
じっくりと御使い様を見ると、御使い様も私を見上げてるの。
私が微笑むと、御使い様も微笑みで返してくれる。
これは何?
なんか、へんな感覚だわ。
お城では、私くらいの小さい子は、私以外居ないわ。
御使い様は、その私よりずっと小さい。
本当に可愛い子、私、あなたのお母さんになってあげる。
『ぐるるる…』
「は!?」
な、何?!この
こ、怖い、怖い、怖い。
後ろから?
『グルルルルルッ』
「ひっ?!!」
振り向いたら、白い大きな狼がいたの。
凄く怖い顔で威嚇している!
魔、魔獣?!
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