第15話 スキル▪小さな箱庭
さて、私は女の子に辿り着きましたが、時間がありません。
なんの時間かって?
勿論、私が
まさに真冬の
分かります?真冬の
あまりの寒さに、大きく息をすると肺が痛い、目が痛いんです。
今の状況がまさにそれです。
その時期に行った事がないと、
え、なんでそんな時期に行ったのかって?
えーと、スーパーの福引きで、なんちゃらツーリストの二泊三日ツアー、【タラバガニ食い放題、最北端にご案内。真冬の稚内で流氷を見よう】の格安ツアーが当たりまして、行っちゃったんです。
カニに目が
冷え症なのに、よく行ったとお思いでしょう?
いえいえ、大学時代のピチピチエンジョイ時期だったものですから、まだ冷え症は発症しておりませんでした。
そしたら、帰りの飛行機が
でも貴重な体験ですし、この私の周りのキラキラのダイヤモンドダストも
カニは上手いし、近くに利尻昆布も猿払ホタテもあるでよ!
是非、真冬の
って、余計な事を考えてる間に、私の身体は胸の辺りまで雪に埋もれておりました。
この緊急時に私はお馬鹿だったようです。
ふぬぬぬぬ!
ふう、何とか抜け出せました。
早くしないと、女の子がピンチです。
私は、女の子の様子を確認致しました。
寝息が聞こえます。
身体を調べましたら、この血はただの返り血のようで、身体に傷はありません。
はあ、良かったです。
ですが、のんびりしている訳にもいきません。
この❪バナナで釘が打てる❫ような極寒は、私達が氷結マンモスの二の舞になる事を暗示しているのです。
『ぱお~っ』です。
それでは、彼女を持ち上げましょう。
おりゃーっ!!!
はあ、はあ、はあ、お、重い?!
分かっておりましたが、子供とはいえ、今の私からすると、ガリバー旅行記の小人サイズ、当然、力も同様でした。
うう、どうしましょ。
ヒューリュリ様に頼めたら良かったのですが、まだ、ヒューリュリ様を信用する事が出来ません。
だって、母さん狼の顔だったんですから!
ショッキングですよ、完全な猛獣顔だったんですから!
顔に赤絵の具ですから!
すぐに信じられない私の気持ち、分かって貰えたでしょうか。
しかし
『ぱお~っ』です。
ですが、このままでは、二人とも
むむむむむ。
おお、頭の上に80W電球が点灯しました。
え、何で80W電球かって?
もう、60でも120でもいいじゃないですか、変な
単なる 漫画的
私のスキルの中に、【小さな箱庭グリーン▪サンクチュアリ】直径1メートルが有ったんでした。
さっそく、使わせて頂きましょう。
私が【小さな箱庭グリーン▪サンクチュアリ】直径1メートルのスキルを使おうと思ったら、勝手に呼び出しのプロセスが頭の中に生まれます。
さっそく実行致しましょう。
私はプロセスに従って、女の子の真上に飛び上がります。
そして空中で三回、回ってワンッ…じゃなく、亜空間収納からタンバリンを取り出します。
タンッタン、タタタン、タンタンタン
タンッタン、タタタン、タンタンタン
「空と大地の精霊よ、私に力を下さいな。風の精霊、冬の精霊、今だけお鎮まり下さいな。春の精霊、光の精霊、私と楽しく踊りましょ。妖精女王、ティターニアの盟約により、世界の力を今ここに!」
私は目を
「
サアアアアッ
雪雲の
私の羽根が輝いて、大地に、お
キィィーンッ
はあ、はあ、はあ、なんか空中で白鳥の湖のような恥ずかしい踊りを踊らされました。
めちゃくちゃ息がキレます。
でも、女の子の周りの雪がなくなり、大地が見えております。
おお、女の子の側は日当たり良好で暖かく、南向きです。
これなら、すぐに洗濯物は渇きますし、最寄駅まで徒歩10分、家賃は0円、1LDK以下の好物件………。
んん?
さすがにこれは、窮屈そうです。
多分、女の子の身長は112~113センチ。
今は丸まって気を失っているから、なんとか直径100センチの円に収まっておりますが、あれでは背伸びが出来ません。
困りました。
どうしましょうか。
しかも、ちょっと息が切れるほどの踊りを、あと二回って、ちょっと自信がありません。
ですが、このままでは、かなり不味いですね。
はあ、こんな事なら、宝塚でバレエでも習っておけば良かったです。
アンドレーって、ああ、あれはバレーではなかったですかね?
はて?プロレスだったでしょうか。
お祖父さんが、でっかいアンドレは強かったとか、言っていたような気がします。
でっかいババもいたとか?
でも、ババがでかかったら、ババ抜きは大変でしたよね。
だって、すぐにバレちゃいますもの。
は?!
あああ、私ったら、また物思いに
私が作った【小さな箱庭グリーン▪サンクチュアリ】直径1メートルが小さい事で、あの子が背伸びが出来ないほど狭い事を、なんとかしなければ、ならないのでした。
最近、物忘れが激しいですね。
歳でしょうか?
いや、私、一歳なんですが。
ピロンッ
ん?
▩▩▩▩▩▩▩▩▩▩▩▩▩▩▩▩▩▩▩▩
名前▪▪▶カーナ▪アイーハ(異世界転生者)
レベル▪▶7(?)
種族▪▪▶花妖精(新種族)
羽根▪▪▶銅色
容姿▪▪▶金髪▪碧眼▪白い肌▪長耳
衣服▪▪▶春のワンピース(淡ピンク)
性別▪▪▶女
年齢▪▪▶1歳(寿命未設定)
身長▪▪▶10cm
体重▪▪▶秘密
バスト▪▶絶壁(成長次第)
ウエスト▶これから(さあ?)
ヒップ▪▶まだまだ(ガンバ)
特技▪▪▶タンバリン応援(?)
スキル▪▶亜空間収納
スキル▪▶銅鱗粉【成育空間システム化】
スキル▪▶種▪球根召喚
スキル▪▶【小さな箱庭グリーン▪サンクチュアリ】直径1m(統合化▪数m以内のサンクチュアリを統合出来ます)
スキル▪▶お風呂セット(シャワールーム)
スキル▪▶テイマー
従魔▪▪▶聖獣フェンリル(個体名ヒューリュリ)
召喚可能▶ガーベラ◇チューリップ◇オオイヌノフグリ◇フリージア◇エーデルワイス◇菜の花(種)
▩▩▩▩▩▩▩▩▩▩▩▩▩▩▩▩▩▩▩▩
んん?
何でしょうか。
急に、ステイタス画面が開示されました。
どういう事?
んんん?!
スキル【小さな箱庭グリーン▪サンクチュアリ】直径1m に( )が付いています。
なになに?
(統合化▪数m以内のサンクチュアリを統合出来ます)
おお、何というご都合主義。
まるでラノベですね。
これで、全ての悩みは解消です。
さっそく、やってしまいましょう。
私は、頭に浮かぶ文言を確認して、手を掲げます。
「インテグレーション!」
ズズンッ
おお、元祖【小さな箱庭グリーン▪サンクチュアリ】が此方に近づいて来ます。
ヒューリュリ様は、伏せの状態のまま、何が起きているのか分かりませんね。
ピタッ
あ、ついに繋がりました。
まさにランデブーでしょうか。
国際宇宙ステーションに、日本の輸送機❪こうのとり❫がドッキングした様です。
まさに歴史的瞬間ですね。
ふう、四畳半の安アパートから、1LDKマンションに越した時の感んじに似ていました。
はあ、感動ものですね。
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