関係ねぇ神なら"神をぶった斬る"
なんとなくぶっ飛ばした青年を、俺は巨樹の別れ枝に着地してただ崩れる時計台を眺めていた。
「ルーク!」
下から俺の名前を呼ぶ声が飛ぶ、見下ろすとフィリスが何かを抱えて立っていた。
巨樹から飛び降りた俺はゆっくりと着地して、静かに立ち上がり訊いた。
「こいつら誰なんだよ?」
するとフィリスは少し苦笑いをしながらこう答えた。
「妖精の国よここ、アールズヘルムの領主のロキと私が抱えている奴は妖精王オギロン。神の世界アース神族のメンバーよ」
「へ?」
「ルークの事だから知らないだろうけど、神を倒すって言ったけどアース神族はラグナロク見たく悪意がある神じゃないのよ」
「神は神だろ? なら、倒すしかないだろ?」
「そうだけど、ルーク君が敵対してる神はこの世界の敵でもあるのよ。なのに、神なら全部ぶった斬るみたいな言い方して全部敵に回す気なの?」
俺は静かに声のトーンを下げて言い放つ。
「神が俺が住む世界を終焉化して葬った。それが――――この世界を含んで四つだ、良かろうか悪かろうか関係ねぇよ。神ならぶった斬る、ただそれだけだ」
フィリスは静かに目を閉じて軽くため息、そしてこう静かに言った。
「ルークも中々ね、私に復讐を止めたけど。君の考えは変わらずなのね、それを復讐心と言えばいいのか分からないけど。少なくても、君が全てを投げ打って敵に回しても私は君の前に立ち塞がるわ」
フィリスは動じない眼差しを俺に向けて見つめた。透き通る水色の瞳が朝の陽射しにあたり光を宿す。
俺は軽く笑い静かに後ろを向いて「道に迷ったらどちらかが止める。そんな交わした言葉あったな」っと照れ隠しな感じで言うとフィリスは俺の背中を抱き締めた。
「私が君を異世界転生させた、神より強くなる為に何よりラグナロクを倒す為にこんな風に背負い込ませるようになったんだね。ごめんねルーク」
今更謝らないで欲しい、俺は神を倒すのが宿命だと思ってるんだ。
フィリスの温もりは背中に伝わる、いつの日か背が伸びたんだな。
「―――――やるべきことは変わらない」
もう決めたからには変えられない、それに殴ってしまった以上敵対だろう。
フィリスの気持ちはわかるが、もう逃げられないだろうな。
「ルーク」
「分かってる、今は魔王何とかしよう。話はその後でいいか?」
「うん」
フィリスはゆっくりと離れて、寝ている二人を起こしに行った。
今いるのは変態王がぐるぐる巻きにされている。
「僕を変態王ってよぶな!」
「誰に向かって言ってんだよ?」
「ふん、僕はね君達に力を確かめる為に来たんだけど逆にやられた。だが、君自身はどうゆうつもりか敵対してる――――僕達はラグナロクなんかじゃない」
「神には変わらない、それ以上も以下もないあるかよ」
俺の眼差しは鋭く冷徹、そう紛れもなく許し難い復習者のような"眼"を変態王に向けていた。俺は未だに何のためにこの力があり、何のために振るうのか――――。まだ答えすらない。迷いはあるが、やるべき事は変わらない志している。
「そんな怖い顔するなよ、僕はただ君達の力になりたい。ただそれだけなんだ、共にラグナロクを討つ――――それだけで十分じゃないのか?」
十分? いや、十分なわけあるか。
そもそも、神は何をした? 世界を奪って。いや、奪われてるのにもかかわらず高みの見物だろ。
助けにも動かず、なぜこうして――――今頃こう平然と現れるのだろう。それが俺は腹ただしいのだ。
「君らがいくら俺を引き入れようとしても、俺は受け入れられない案件だ。悪いが魔王止めるのに邪魔するなら切り捨てるぞ?」
俺は蒼大剣を変態王の首筋にピタリと置いた。
「出来るのかい? 本気で魔王を止められるのかい?」
「――――――」
「君がまだ冷静さがあるなら助言しよう、いや、断言するよ。現状君達だけじゃ勝てない」
「勝てないだと? どうゆう事だ?」
「十年前、君とフィリスは討伐した際に誰を失ったか覚えて居るかい?」
十年前、失った人は多くの犠牲者は石化病――――。この時、俺は嫌と言う事実に直面する事になるとは予想しなかった。
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