静まるアールズヘルム
ソラと共にみんなが居る場所へと戻る、だが変な事にみんなは不思議と空ばかり見上げてる。
俺は当然不自然を抱いた、そして空を見上げた。
怪しく光る一筋の光、流れ星を見るにして少しばかり、いや、早すぎる。
まだ夕方でもない、日中である。
その光が、ユグドラシルに向かって落ちる。
轟音を馳せて、バキバキと鈍い音を鳴らす。
そして、黒い大地に不時着する。
空に不吉の様に泣き叫ぶ鳥、視線を降ろすと一人一人の姿に違和感を抱いた。
ずっと一定の方向を見上げてる、嫌な予感は嫌という程に当たるものだ。
「――――石化だと?」
そう口にした俺は、改めてよく見ると白い石化してる仲間たちが目に止まる。
ソラは慌てた様子でこう発した。
「石化って―――――えっ? 待ってよ、確か十年前の魔王復活で流行りだした古の病だよね?!」
そう、十年前のあの日。父と魔王の戦いで引き起きたとされる。―――古代の病の一種"石化病"だ。
主要都市の住人が、誰一人いないのは石化病を患ってるからだ。
原因やなぜ流行ったのか、そんなの数百年前の話で現在は確認されてこなかった。
つまり、原因不明の病――――。
「あぁ、なんで今更こんなのが再発してるんだ? いや、主要都市ミッドガル以外になぜ"石化病"が――――?」
「それより、みんな生きてるのこれ?」
「分からないけど、少なくても破損したらアウトだろうな」
「何を見て石化したんだろうね?」
「空なのはわかるけど、見たからってそうなるとは限らないしね」
謎は深まるばかりである、しばらくするとバサバサっと音がなり見上げると一匹の龍が視界に止まる。
「小僧、大丈夫か?」
この声は聞き覚えがある確か―――。
「出たなラスボス!!」
「へ?!」
「小僧、変わらず人を弄る勇気は大したものだ。ラスボスのわけなかろう!!」
「そんなわけないだろ、一億の全裸女子を見た賢者だろ。健全男子からしたら敵でラスボス」
「へ、変態だ。龍がヘンタイ」
「清めるのに当たり前だろう、見てるわけじゃない。そもそも龍の一族でも飛龍だ、普通の龍よりデカいし隠れられないだろ」
「だから視界に止まる。やっぱラスボスは違う」
「小僧いい加減にしろ、さもなければ串刺しにして業火で焼き払う」
冗談はさておき、バハムートが俺の所に来た理由はおそらくフィリスからであろう。
俺はゆっくりとした口取りでこう話す。
「なぁバハムート」
「なんだ?」
「悪い話は聞きたくないが、魔王がこの街に現れた感じか?」
バハムートは地に着地してゆっくりと口を開き答えた。
「――――無論、貴様の感はよく当たるとフィリスから聞いていた。当たりだ、石化病は古代の病で流行り病でもある。その意味と今起きてる事態は十年前と残念ながら似てる」
やはりそうかっと言う俺の表情に、ソラは割って入るかのようにこう言った。
「ま、待ってください! 確か十年前の主要都市ミッドガルは魔王復活して封じたんですよね!? 石化病も同時に消えたって聞いてましたよ。けど、何故魔王と直結してるのか教えてください!」
バハムートは軽くため息を吐いた、砂煙がぶぁっと吹き上がる最中でソラの問に答えた。
「若き少女よ、歴を学ぶとは全てを知らなければならなね。良いか、今の質問は言い換えれば封じた者たちが悪いから解き放たれたって思われる。誤解を与えてしまう故に同時に傷つくものもある。純粋なことはいいが、この場にいる十年前の真実を知る者に対しての質問はさぞ答えずらい」
バハムートはそう言い放つと、俺の顔をチラッて目線送りをするソラ。
まぁたしかに"封じた"って噂が広がってる。
だが、実際は封じたんじゃなくてヘルヘイムに突き落としたに過ぎない。
ミッドガルに空いた穴は、ヘルヘイムに通じてる――――ここに間違いは無い。
なぜ穴が空いたのかっていう理由を誰もが知らないし触れてこない。
すると、バハムートはこう口を開いて一言。
「若き少女よ、真実を知りたければ彼について行け」
ソラはゆっくりと頷いて発した。
「もちろんそうしたいです。けど、私だけじゃないです、私達みんながそれを知って広めなきゃダメなんです。そうしないとルークが全世界から追放になっちゃいます」
ソラがそう言った理由は、この全世界が集まる最高ギルド統括管理者の
規約的に簡略で言うと"封じた"と言う情報は世界各地に広まりその"安心"させる。これが、異なる事実と異なる、虚偽に当たると噂の発信者ではなく当事者が裁かれる。
なんというむちゃくちゃ、これが世界的ルールって信じ難い。
だが、考えてる時間は無い様だ。灰色の霧が流れ波のように押し流れてくる。
「あの霧は何?」
「石化の霧だ」
「二人共、我の背に乗れアールスヘルムまで送ってやる」
俺はバハムートの背中に乗り背鰭に捕まる。ソラはその後ろから乗り俺の腰に手を回してがっちり掴む。
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