"神殺し"
神殺しに宿る龍を信じて、俺は神殺しを使う事を決意した。
迷ってたら仲間が殺されてしまう。もっと酷い目に。見たくない、だからこそ、今やるしかない!!
「起きろ!! 神殺し!!」
爆発的な魔力が解き放たれ、白いオーラが天高く貫く―――。
大地が揺れ、眩い光を放ち視界を一瞬奪う。
白い髪の毛と赤い瞳に真っ白な上着にみ身に纏い双剣を振るう。
謎の生物は俺を食べようと口を開き飛びかかる。
「
手のひらから小さな龍が放射線状に放たれる。眩い光が、謎の生物を貫き無に返す。その光の筋は謎の生物を狙い次々に直撃して無に返した。
その姿はまるで神々しく、優しく光り綺麗である。
「ルーク、 これが隠していた力ね?」
「マスター気が付きましたか」
「えぇ、なんて美しいのこの光」
次々と謎の生物は消える、小さな龍は俺に戻りゆっくりと消えた。空を見上げると、羽ばたく天使一人に目が止まる。
「君はどうやら、転生者ね? しかも禁忌能力、貴方と戦わなきゃならないなんてね」
「無理して戦うつもりか?」
「無理して戦うつもりなら最初から現れてないわ。君から放たれた異常な魔力を検知したから来てみれば―――神殺しの目覚めとはね。私はミカエル。天使の守護者、貴方を殺す戦士よ」
「可愛い名前だ、勝てば仲間になるか?」
「い、いや。私は乙女、貴方の仲間にはならない」
「顔真っ赤だけど」
「う、うるさい!! と、とにかく戦うわよ!」
ミカエルは素早い速さて、ルークに攻め寄る。だが、微動だにせずににやけていた。
「覚悟!!」
振り抜くミカエルの剣よりも、素早く動かしたルークは顔を鷲掴みにした。
「にゃ!!? ま、前が見えないわ!!」
「神殺しは神に属する者は通用出来ぬ。どう足掻いても勝てなぬ」
「うぐぐっ!!」
「少し眠ってもらうか」
ルークは地上にミカエルを投げ飛ばした、地上は亀裂が入り陥没した。
そんな光景を、コルネやユズは見上げて言葉を失う。
「あ、あれがルーク?」
「違います、あれは神殺しが身体を支配してると思います」
「え? 誰がルークを支配するのよ?」
「別な力を感じます――――ルークでは無い別の何かを!!」
空中で魔力を蓄えて強い光を放つ――――。
膨大な一つの球体は、全てを飲み込み巨大な爆発を放つ。学園半分を崩壊させて轟音が馳せた。
「見たか! これが神殺しの力―――ぬっ!?」
軋む身体、ルークの意識がまだ失ってはいない。そして、奥底からこんな叫び声が聞こえる。
『やめろ! 勝手に俺の身体を使うな!!』
「ふん、貴様が今まで俺を育て上げた。ならば、使う力は我にある」
『何を言いやがる、転生能力だこれは!! お前が支配する意味がわかんねぇよ!!』
「俺の名は
『神殺し龍だと?』
「フィリスはお前になにも伝えなかったな。 目的もな」
『知ってんのか?』
「知ってるも何も彼奴は竜使いの少女だった」
『竜使い? 女神だろあいつ』
「知らぬか、あの子は異世界で死んだ娘。俺を助けた恩人だ、目的はすぐ分かるものだ」
そう語ると、フィリスが転移魔法でその姿を現す。何処となく無表情、髪の毛を靡かせてこう言う。
「神殺し、私が愛した龍。 ようやく復讐が出来るわね」
「いいのか? この身体の持ち主は?」
「用済み。ルーク聞こえる? 私は神を殺すために君を利用した。君が体大きくなるまで私は待っていたから、その力を返してもらうわ」
フィリスは手を開き、ルークから魔力を引き抜き始める。力が失われて、やがて全身の力が抜け始る。
「フィリスッ!! 何を!!」
「目的は見つかった。それはルーク貴方の中にいる龍を引き抜く為の時間よ」
引き抜かれた力はフィリスの手のひらに浮かぶ小さな丸い球体の姿になり愛しそうに眺める。
「な、何を言ってやがる――ッ!!」
「さようならルーク」
フィリスから何かを指先から放たれて、ルークは激痛が襲い空から滑落する。
何も考えられずに頭が真っ白になる。
風が耳を塞ぎ、遠くなるフィリスの姿を眺める。だんだんとえ遠くなる姿。
フィリス、どうしてこんなことを―――。
伸ばした右手は鈍く光りを放った――――。
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