転生まで鍛える
強い力が宿る能力が与えられる―――まぁ、転生したらだけど。
一つが「竜騎士《ドラグナー》」、二つが「
えぇ、つよつよなんだよこれはこれで。
フィリスが言うには、転生前の力がそのまま転生後引き継がれる。ここまでは前提だ。
"神殺し"という特殊能力を使えなければならない、だからこそフィリスと
「オイ少年よ、チキンになるつもりか?」
そして、喋るグラサン付けたニワトリが現れてやたら絡んでくる訳だ。
これマスコットらしいが? 癖が強い。
「なぁ、喋るニワトリ、 お前の存在自体がチキンだろうが」
「ふっ、俺はそこら中にいるチキンとかニワトリとか鶏とかとは違うんだぜ? あと俺は国産だ!!」
「癖強いなぁ!? 例え国産だとしてもだ!!チキンはチキンだろうが!!」
もはや意味不明で謎い会話、焼き鳥にしたくなるぞ? クソニワトリ。
「オイオイ、流石に褒めすぎだろ。いくら味がしもってるからってよ。外国の鶏は体臭なんてローズマリーで消したのさ」
「それ香り付きローストチキン!!」
「邪道だそいつ」
「どこら辺が!?」
「焼かれていい肌してるだろ?」
「ただ炙られてるだけだと思うけど!!」
会話が進まない、存在はグラサン鶏で謎い。フィリス呆れ顔、カオスな空気である。
「ワイルド先輩やめときなよ」
「いやこいつ俺を、チキンって言うから!!」
「新人さんにチキンと言うな方が無理よ」
「それを教えるのが俺だコケ!!」
「俺の認識が間違いなのこれ!?」
「ワイルドはワイルド、チキンは鶏よ」
「理屈が謎い!?」
ひとまずして、フィリスはこう提案する。
「経験積まないとね」
「経験はゼロカロリー」
「神殺しになるには
「スルーされた!? 悲しい!!」
「ゼロカロリーから二千カロリーになるわよ」
「龍騎よ、やるのだ!」
「後でグリル焼きにしてやるからなチキン!」
「コケー!!」
フィリスはワイルドチキンを掴み机の上に置いて指を鳴らした。部屋が七色に輝き変化して別の部屋変わる。鉄筋コンクリートの様な一室だ。
「今から"神殺し"を転生後に与える能力にするんだけどいくつかのレベルが必要となるのよ。その一つが"剣聖"よ」
フィリスが右手をかざして魔法陣が床に浮かび上がり、しばらくすると武器の柄がゆっくりと引き抜くように浮かび上がった。
巨大な剣―――鉄板一枚板の様な露骨な形をした鉄塊だった。
「まずこれを片手で扱える肉体にならないといけないわ」
「か、簡単に出来るこんな―――のっ!?」
俺は軽い気持ちで、手に取り鉄塊の柄を掴んだ。ズッシリとした重さでそのまま床に突き刺さってしまう。抜けない。
「無理だ!!」
「そりゃ君の今の筋力じゃ無理よ」
「ぐはっ!!」
筋トレを開始した俺は、き鍛えまくりフィリスがあちらこちら場所を提供された。
それから一週間後―――。
「今度こそ引き抜いてやる!!」
「ふぁいと!!」
俺は大剣を引き抜こうとする、やはり重い動きそうもない。だが、ここまで頑張ったこの一週間を無駄にする訳には行かない―――っ!!
「ぬぐぉぉぉぁぁぁぁぁ!!」
「おおっ!? 鉄塊が動いた!!」
ちょっとずつでもいい、動かして引き抜けばこっちのもんだ―――!!
そして、俺は鉄塊を引き抜いた。
フィリスは拍手を鳴らした、嬉しそうな顔をしながらこういった。
「じゃ、次はその鉄塊で実戦ね」
何を語るんだロリっ子よ!!
我が肉体は限界だ! なんという鬼畜!!
マゾプレイ化してしまうでは無いか!!
「無理だ、限界だ体がな」
「そんなの百も承知よ、もう転生すべき日から一週間過ぎてるんだから早くしないと」
「え?」
「有効期限過ぎた人は破棄される」
「廃棄だと?!」
「うん、あと数日以内で終わらせないと。ゴミになる」
「ゴミ!?」
考えても無駄の様だ、魂は二週間以内に転生されなければ廃棄されて終わるらしい。
残り数日で仕上げなければ終わるからか。ならば俺もやらねばならないか。
「覚悟決まったわね? じゃ―――」
フィリスは指を鳴らし部屋を変える、実験室の様な無地な白い世界が視界に写る。
「ルームを変えてやるわよ」
何気に勝ち誇るフィリスのその眼差しは、まさにそれを示すような圧巻な動きを見せる。
「ぐっ!?」
「ほらもう一回」
「ぐあっ!!」
細い腕に細剣なだけあり手速い攻撃に俺は翻弄される。
鉄塊はこの重さがデメリットだ。
上手く扱うなんてまだ出来やしないのだが、俺も俺でやらなければ―――。
必死に構えて振り抜いた一撃は、呆気なく空振り。フィリスはその鉄塊の上に乗っかり言う。
「まだまだね」
「くっそ!!」
女神ロリっ子強過ぎだが、サービス多さで俺は許せた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます