反逆の殉教者 (殉教者侵略・II)

一方、俺達は街へ向かうと、殉教者と未知なる物が徘徊していた。


「こいつら! 何故、この世界に!?」


俺は嫌でも覚えてる、ラグナロクが支配した転生前の世界。なにかの獣は、この世界では魔物。黒いノズルと半透明なその姿に、虫唾が走る。


「クソ!!」

「おい!? どこに行く!!」

「あの神をぶった斬る!!」

「まてまて!! 今のお前じゃ勝てない!! 先走るな!!」


俺は怒りで言葉が耳に届かない、先陣で突っ走る。



「若さが故か、サーニャ肩車だ」

「あいやいさ―」


海坊主はサーニャを肩車して、ルークを後を追う。


「□□□※!!」

「はっ!!」

「△△△△□!!」

「邪魔だ!!」

「※※※※!!」

「失せろ!!」


俺は豪快な一撃を連発する、魔物は一瞬にして吹き飛び壁に強打。錆びてる両手剣だから切れないから剛撃。

風のようにその姿は消える、あの時の強い怒りが全てを飲み込む。



あの魔物が居なければ、あの神さえいなければ死ぬことなんてなかった!! 光を奪われる必要もなかった!!



俺は憎しみに狩られた悪魔の様な、激しい戦い方にをする。追いついたが、海坊主はただただ荒々しい光景を眺めていた。



"あれは誰にも止められない――――。"



そう思うしかなかった、魔物次第に消えていき俺は「まだ足りねぇ!! 逃げてんじゃねぇぞ!!」っと叫んだ。


「□□□※!!」


高い建造物から降下する殉教者一人が剣を振り抜き、俺は両手剣を強く振り抜いた瞬間、殉教者は華麗に空を飛ぶ様に吹き飛ばされた。



「――――!!」



くるりと一回転して、壁にタンッ! っと着地して跳ね返るように俺に向かって飛んだ。



―――――バキンッ!!



互いの刃が衝突、火花を激しく散る。



「邪魔すんなぁぁぁぁぁ!!」



俺の握る両手剣から僅かながら青い炎が吹く。殉教者は驚き離れるが、再び剣を振り回して向かってくる。



なんなんだこいつ!?




俺は、怒りに身を任せていたが、それは長く続くと流石に冷静になる。目の前にいる、殉教者はと似た動きで素早く追い込まれていく。



「なんなんだお前?! 邪魔だどけろ!!」

「????」



俺はほぼ互角で戦い、追い込まれたのは精神面だった。奴は言葉が通じない、やりずらい相手でもある。



「□□□※?」

「何言ってんだよお前は!?」

「△△△□!」

「何を力説してるかわからない!!」

「?!」



そんな回答すると、強い剛撃が放たれ俺は地を転がる。



「いてて、なんなんだこいつ?」

「□※※□」

「殉教者って女の子だよな? フード外せば何言ってるか分かるはず―――」

「????」


俺は殉教者の剛撃に合わせるように振り抜いた、風圧で互い吹き飛ばされて着地する。


「―――――」

「女の子!?」


肩くらいの長さある銀髪と蒼眼の瞳である、手に持つ白銀の剣と似合う。

俺は殉教者を、女の子しかいないと言うのは聞いてなかった。


「□□□?」

「女の子とは思わなかった」

「? □△△△□」

「表情見ればなんかわかるかと思ったけど、すっごい表情筋硬いなぁ」

「――――!?」



殉教者の少女は、崩れ落ちるようにガックリした。落ち込んだっと言わんばかりである。



「え?ショック受けた?」


コクコクと頷いた殉教者の少女。


「えーと? こちらの言葉は理解出来ていて、私は君を止める為に戦ったっと?」


頷いて、殉教者の少女はゆっくり立ち上がって地面にカリカリと何かを書いた。



「わ、た、し、は、と、く、し、ゅ、な、こ、と、ば、だ、か、ら、ふ、つ、う、に、は、は、な、せ、な、い。 なるほど、通りで何言ってるか分からないわけだ。じゃ、訊くけど君は何故俺と戦った? 敵だろ、そんな事したら君は――――」



殉教者の少女はカリカリと文を書く。

ルークは再び書いてる文を音読する。


「き、み、じ、ゃ、な、い。 わ、た、し、は、ばー、ば、ら、だ、よ。き、み、を、と、め、な、きゃ、き、ゃ、さ、り、ん、が、こ、ろ、し、に、く、る。て、き、み、か、た、は、か、ん、け、い、な、い。ってキャサリン? そいつが親父を殺しに?」



少女の名前はバーバラ。書いた文章的にも殉教者としての立場的に危うくなるのに教えてくれた。俺は顎に手を添えてしばし考える。 何の為に、この騒動があったのかと―――。




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