海の家の主
数日後、俺は海の家に居た。
毛根退化野郎。ゲフンゲフン、ツルツルな海坊主さんがこの海域をハンターしている。
何をハンターしてるかって?
そりゃもちろん――――。
「貴様らァァァァ!! 海を汚すならその髪の毛を狩ってやる!! 覚悟しろ!!」
「「ぎぁぁぁぁぁ!! ハゲ頭からハゲの催促来た!! いやぁぁぁぁ―――!!」」
「催促じゃねぇ! 永久脱毛だ!! あと俺をハゲって言うなァァァァァァァァァァ!!」
「「嫌だァァァァ――――!! ハゲててすみません!!」」
「俺に対する侮辱謝罪ッ!! 許さんッ!! 尚更髪の毛が不要と思うッ!! よしッ!! そこ動くなよ小僧ッ!!」
「理不尽いやぁぁぁぁ!!」
こんな感じで髪の毛ある奴は、海を汚すことをする度にハゲ予告するハゲ坊主さん。
いや、ハゲだからハゲの言葉に過敏なんだ。
だから、ハゲをハゲでハゲをハゲで愛しなければダメみたいハゲ。
「だーれーがーはーげー???」
「海坊主―――はっ!?」
「ほう? 貴様も海に落ちたいようだな?」
「はっ!? い、いやこれは!?」
「問答不要ッ! 一から海から生まれ直せ!!」
俺、海坊主に海に投げ飛ばされる。
ダパンッ!! っと水しぶきが跳ね上がる。
俺は何しにここに来たんだっけ?
ぷかぷかと浮く俺は、そう考えてから体を起こしてすぃーっと泳ぐ。
父はまだ帰ってこない、サーニャは海の家で小さいながらお手伝い。
海坊主は、観光地荒らしを許さない。
砂浜にたどり着くと、先回りしてるポジョン的な海坊主は腕を組んで待っていた。
「坊主、お前は確かアルトの息子だな?」っと訊ねてきた。ルークは普通に
「あぁ、そうだけど」っと答えると次に返ってきた言葉が「お前、殉教者をどう思う?」っと真剣な言葉で言われた。
「なにそれ? ハゲ様の宗教団体?」
「あぁ、毛根を蘇らせ――――って違う!! 殉教者とな」
殉教者、それは教祖団が解散してもなお活動を続ける。過激派残党教祖団であり、今ミッドガルでは問題視されてる。
なぜなら、穏健派新聖教祖と対立してる。
新聖教祖は、神を崇めるだけであるが殉教者は神を崇め、信仰をして、死んだ達。ゾンビかよってお思うがこれがこの世界にはある。
しかも意思疎通出来る。
ただでさえ話を聞けばやべぇが現状、人身売買を行う殺人ギルドと一枚噛んでるので戦うなら聖騎士が動く流れになる。
そうならない為にも、元聖騎士団の団長である父が動いたって話になる。
「俺は、この戦いに賭けはある。だからこそり領土主アルトが必要不可欠さ」
ふむ、父が領土主。ななるほど、理解理解――――出来ねぇよ!
待て、英雄と領土主ってなそのヤバくそテクニックは!? 驚きしかないのだが。
「アイツらが狙う街なら、やはりアルトがが動かんことに意味が無い」
「――――」
「ハンターの俺でさえ、殉教者の戦力は互角。 幹部クラスなんてきたら魔王クラスの力が必要なわけだ。まぁ人界からしたらかなり離れた話だ」
神をぶった斬る力はあるが、俺の身体はまだ幼く力は使えない。
力を放つと腕だけムキムキなんて、誰が見たいのか。アンバランス過ぎる。
――――ドォン!!
遠くで轟音が馳せた、ルークと海坊主は街の方に目を向けると赤く燃える炎が上がっていた。
「動いたか、予定より数日早いか。ルーク、親父はどこだ?」
「あっちの居酒屋」
「はぁ!? こんな時に酒飲む―――」
ルークは後ろを振り返ると黒いフード姿の人は高く飛び上がり、海坊主に刃を振り抜こうとしていた。
「死ねぇ!!」
「ハゲおっさんんん!!」
海坊主は、スっと拳を黒いフード姿の人に拳をゆっくりと向けた。
バァン!!
ものすごい破裂音が鳴り響く、黒いフード姿の人は砂浜を転げる。
「ハゲをなめんなよ。ただのハゲじゃねぇ、殉教者共よ―――髪の捌きを与えてやる」
サーニャはとてとてと走り、小さな杖を肩手に黒いフード姿の人に魔法放ち吹き飛ばす。
「すげぇ」
「俺が基礎を教えたらすぐ吸いやがってな。あの年齢なら上等さ」
「ルーク、戦わなきゃダメ」
「いや、武器なくてね」
「お前なら大丈夫だろ、その怪力なら持てるだろ」
そう言った海坊主は、両刃型の分厚い鉄で出来た両手剣を砂浜に突き刺した。それはあまりにも露骨で刀身がむき出しだ。
どっから取り出したかは分からないが、この剣の重さはかなりの物だ。
「身の桁以上だが、こいつを扱うのはかなりの至難の業。だが、おめーなら出来るだろ」
俺はその両手剣の柄に手を伸ばし握る、引き抜くが重量が体に負担かかりよろける。
「なんだ?! 足腰弱いな」
「うるせぇ、子供には厳しい重さだこれ!」
「はっ、後で鍛えれば簡単だぜ。 まぁあと数年後には似合うさ」
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