間章研究施設跡の調査
ある学園生
とある世界、ミッドガルからかなり離れた場所にある大陸。そこは年中銀世界、だから通称永久凍土ヨツンヘイム。
小さく佇む様にその学園はある、在学生は百人程度だ。ここのヨツンヘイムは巨人族が住む世界、人界の作りは珍しいさがある。
中庭は歩く人々はちらほら程度、温度緩和機材使っても常に氷点下五度は珍しくない。
そんな肌寒い学園敷地内で露店を少年は何かを眺めていた。――――錆びた剣である。
「兄ちゃんこの剣欲しいのか?」
「あぁ」
「錆び付いた鈍だ、値段は付けられないからやるよ」
「どうも」
露店を後にした少年は錆びた鈍の剣を少年は眺めた。ニィッと笑みを浮かべた、このサビ具合、今にも折れそうな強度、そしていくつも戦った刃こぼれ。道具として使い果した剣――――はっ。どれを足しても引いても、このボロさは憎めねぇ。
「試し斬りしてみてぇもんだな、折れるかもだなぁ」
「ギル」
少年の名を呼んだのは、ある金髪の少女。
ギルと言うのは俺の名で、爆乳金髪は嫌でも幼馴染だ。名は―――。
「フェイ、てめぇも来てたのか?」
「そりゃね、悪事が働かないかと思ってね」
「けっ。監視かよ、だりぃな」
ギルは数多の殺人罪の前科あり、それは驚く事に幼少期からだ。 当然、世間的には"人殺し"見たいな冷やかな視線。まぁ慣れた。
悪も正義も、なんも知らないクズが勝手に位置付ける"印象"だ。 そんな奴をいくつ殺したかは知らねぇけどな。
「それでその剣は? 見るからにサビサビだけど」
「あん? 錆だが、磨けばそこらにある剣より鋭い武器だぜ」
「そうには見えないけど」
「まぁ爆乳には良さが分からないか」
「ば、爆乳って言うな!! もー、ほんとデリカシーないんだから!!」
ギルはフェイにある指輪を指で弾いた、胸の谷間にすっぽりハマる。
「ナイスキャッチ」
「何処に投げてんのよ!! って指輪!?」
「あぁ、紛れもないだろ指輪」
「プロポーズ!? え、私溶けちゃうよ!?」
「アホか、指輪を嵌めてみろ」
「違うの?」
「違ぇから」
「そっか。まぁ嵌めて見るわよ」
フェイは指に指輪を嵌めて見ると視界に写るのは、何やらシステム的な何かだ。
「なにこれぇ!?」
当然、驚くフェイに少しばかりニヤついた。
「あ、また変な奴ねこれ!」
「ご名答、レア指輪だそいつ」
「でもこれ、市販販売されてないよね? それに、スキルってなに?」
「スキルってのは技名、あると無いとじゃ違うらしい。だが、物理的なのはねぇな」
ギルはニィっと笑みを浮かべた、悪意ある得意げな顔。フェイは、素っ気なく方向転換して錆びた剣を眺める。
「艦艇スキル!!」
「おい、そいつはねぇよ。艦隊を陸に落とす気か?」
「あ、間違えた。鑑定スキル!」
フェイは錆びた剣を鑑定すると、首を軽く傾げる。
「ねぇ、ギル」
「なんだ?」
「エクスカリバーって存在するっけ?」
「知らん」
「この剣、
「は? 何その意味わかんねぇ剣」
そのタイミングで少年達の姿が目に止まりなを呼ばれた。
「ファルト・ギル!!」
「あ?」
愛想悪いガキが群れを作っていた、数はざっと十名ほどか。 ニヤニヤとしながら馴れ馴れしい口調で語る。
「てめぇ、人殺しなんだってなぁ?」
「なんで学園なんか来てんだよ?」
へっ、とにやけた俺はポケットに手を突っ込みながら噛み返す。
「テメェらもなかなか悪事やってんだろ。特にリーダ格のおめぇは殺人事件と窃盗罪と詐欺罪だろが」
イラついたリーダ格は俺に拳を振り抜くが、見えないシールドで防ぐ。
「っ!? てめぇ!!」
「強度増せば、てめぇの腕なんてへし折れる。ほらどうした? 来ねえのか?」
「これならどうだ!?」
「きゃっ!!」
クズや雑魚は、必ず人質を盾にしやがる。
はっ、俺の力を甘く見ないで欲しいなぁ。
「この爆乳女にあれやこれやしてやるぜ!」
「ギャハハ―――!!」
フェイは死んだ目をしていた、またこれか的な表情だ。悲鳴も出さない、奴らにしたら実につまらないだろうな。
まぁいい、指一本で終わる。
俺は静かにデコピンを作り、クズ共に向けた。
「なんの真似だぁ? 頭いかれ―――」
「ただのデコピンじゃねぇぞ」
指に力を与え続ける、弾く一撃に全て込める―――。
「は?」
「リーダー」
「あん? なんだ?」
「奴の腕から黒いオーラが集まってないか?」
「いやあれは影だろ」
ギリギリ――――。
「な、なんかやばくね?」
「あれ、なんだよ!?」
気づいた時には遅い、音速の壁がテメェらの鼓膜をぶち破り、空圧で吹き飛び骨は砕け散る。
バァァァァン!!
クズ共は見事に引き飛び、誰ひとり動けない。フェイは無傷だ。何故なら指輪は俺の力を無効化するシステムをインストールしているからだ。
「怪我はないか」
「えぇ、ありがとう」
「乳守れよな。野暮用出来たから行くな」
「え、今から? 何処に?」
「研究施設跡」
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