魔王をぶった斬る (魔王復活・III)

ラインハルトは魔王の腹部を切り裂き、続けて振り落とした。

それと同時に魔王の再生した魔槍グングニールが右肩を貫き腕は吹き飛ばされてしまう。


「見事な二連撃、だが―――腕を取られた貴様は戦えまい」

「戦えない? いやまだ戦えるさ」



ラインハルトは左手で魔王のグングニールを掴んでこういった。



「奴の仇をくれてやるさ―――!!」

「貴様なにを――――?」



魔王は引き抜こうとするが、ラインハルトの腕力は果てしなく力強い。抜けない。



「うぉぉぁぁぁぁ――――!!」



俺は高らかな声をあげて両手剣を頭上より高く構えながら、高く飛び上がっていた。そして、垂直に魔王の身体に振り落とした。



ゴォン!!



剛撃鈍い音を鳴らすが、魔王は左手で受け止めていた。錆びた刃は普通は切れないだが――――。



ズッ、ズッ―――――。



魔王の手が切れ始める、慌てた表情で手を離して俺を蹴飛ばした。




「ぐっ!? 我にダメージを与えるだと!? 何者だ貴様!!」



俺は上手く着地して、地を再び走る。



「はぁぁぁぁぁ!!」



俺は両手剣を振り抜き、魔王は魔槍グングニールで防ぐ―――が。



「押されてる!?」



俺の怪力があまりにも強く、魔王は壁に向かって吹き飛ばされた。



「君はアルトの息子か?」

「そうだよ、変態バカオヤジの息子ルーク」

「――――すまない」

「今謝らないでくれ、親父はなにかの罪を背負って生きていた。今は感傷にひたってる暇がないんだ」



瓦礫から魔王はゆっくりと歩きながら話。



「クックック、やるではないか童!! 久々だこの痛覚も、憎しみに勝る強さ等は無い。だが、我の強さを―――」



だが俺は、話をしたくない。

なんか魔王って神なのかもしれない、喋らせる前に切る。



「ふん!」

「ぐあっ!? い、今から」

「はぁ!!」

「がはっ!? と、時はな―――」

「やぁ! 」

「ぐほっ!? わ、童!! 我の時間は無いのか!!」

「ない、中二病は俺の敵」

「意味がわからんぞ!? ごはっ!!」



ターンを与えない、俺だけの時間パーフェクトタイムが相応しい。

けど流石に魔王は力を解き放つお怒りだ。黒い悪魔的な翼をバサつかせた。


「これで貴様の命が終わったの同然」


物凄い速さで飛び回り、魔槍グングニールで回転する魔王。俺はその速度をみて温さを感じた。フィリスの方が更に早いからな。


「喰らえ!!」

「遅い!!」



俺は両手剣振り抜き魔王の魔槍グングニールが真っ二つに切り裂いた。



「ぐっ!? だが、我の全力では無い!!」



魔王はどっからともなく禍々しい剣を手にして、俺に向かって攻撃を仕掛ける。



「どうした!! まだまだこれからだろ!? 童!!」

「チッ、めんどいな」


俺は魔王の剣閃を紙一重で回避して攻撃を仕掛ける。ある意味、常識を或する高速バトル。そんな光景をラインハルト達はただ黙って眺めいた。 何かを思い、動かない身体をムチを打ち立ち上がる。



あんな子供なのになんて勇ましいんだ。

なのに時たらなんて情けないんだ。彼の手助けをせねば顔が立たない!



落ちる剣を拾い握りしめる、ラインハルトとセシリアふらついて走り出す。



「くっ!?」

「ははっ!! どうした、その手には大剣は無いぞ!!」

「術式・蜘蛛固め!!」

「小賢しい!! 貰った!!」


俺の首元に魔王の剣が迫る、だが、セシリアが背中を押し飛ばしてきて軌道をずらした。



「飢え死にのハエがァァァ!!」


セシリアは、剣を穿つ様に無数の突きを放つ。


千閃突スピック!!」



魔王は圧されるが、すぐに傷が塞がる。



「ぬうっ!? だが、効かぬぞ。我の肉体はすぐ回復する―――凡人はくだばれ!!」



セシリアは魔王の攻撃を受け止め耐え凌ぐ、そして――――。



「幾千、流れゆく時の流れ、我が身を宿し激しい稲妻よ――――切り裂け!!」



背後で魔力を解き放つラインハルトは左手で剣を天に翳し、紫色の稲妻が落ち刀身を巨大化する。



雷帝一振ライジング・ブレイド!!」



魔王に的中するが、やはり傷がすぐ消える。

セシリアを足で蹴飛ばし、ラインハルトに向かってゆゆっくり歩みよる。


「死に損ない共が、我に何をしようと勝てる訳がなかろう!!」

「―――勝てるさ」

「なに?」

「時間は稼いだ、あとは決まるさ」

「うぉぉぁぁぁぁ!!」

「!?」


俺は空高く両手剣を握りしめてた、淡い青い炎を纏いながら降下。魔王の頭上から垂直に切り裂いた。



「ぎやぁぁぁぁ――――!! 焼ける!! 熱いぃぃぃぁぁぁぁ――――!!」



真っ二つに倒れた魔王は左右に倒れた途端、黒い煙が溢れ空高く巨大な魔法陣が現れる。



「な、なんだあれ?!」

拡散型巨大魔法プラスタージャイアントマギ、全てを消しさる禁忌呪文さ。逃げなきゃまずいな」


地響きが鳴り始める最中で、俺は意識を失い倒れてしまう。



「ルーク!?」

「シンジア」

「分かってるわ! バーバラ」

「―――ん」



四人は巨大な魔法が放たれる前に逃げた。

そそれから数秒後、爆風で雲が消し飛び、主要都市ミッドガルの中央が大きな穴を開けて戦いに幕を閉じた。






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