戦いの果て (魔王復活・Ⅰ)

アルト達の戦闘の最中、俺とバーバラと共に戦地を駆け巡る。

海坊主は別の所で戦闘、恐らく街入口付近にいるのは父アルト達だろう。


バーバラが言うには、キャサリンがおかしくなったのは数日前からだという。

そして、この辺り一帯の音を聞いただけで誰が何処にいるっと言い当てた。

とんでもない能力、獣並の鋭さを感じた。



なんでもこの騒動は、魔王復活の儀式。

魔王は死んでたとされているが、実際は封じただけである。その封じの鎖を断ち切るには―――"罪あるものは死を与えて命を天に返す、その為には沢山の生贄の血が必要"らしいのだが。



沢山血は流れてる、もう復活してもおかしくないんだけどな。



これを繰り返して言うことで信者に根付かせた、殉教者達はそれを"神のお告げ"と思い主要都市であるこのミッドガルを襲撃する計画だった。




だが、計画は変更されたそれは。もっと特殊な血が必要っとの事、殉教者達は混乱や動揺隠せなかった。死兵に血なんぞ興味が無いからだ。





その為には"ある手紙"が必要だった、既に街から居ない者を計画をわざと騎士団に送り付けた。

そうすれば彼は呼び出されるっと予測したからだ。


後は、十数年前のと呼ばれた元聖騎士団の彼を殺せば魔王復活は成立する。



つまりこの戦いは―――父が死ねばなのだ。




それを俺は阻止しなければならない、向かった先には殉教者の信者が百はいるだろうか。

埋め尽くす黒い人達の壁を見れば、嫌でも寒気を感じる。



「負ける戦いはする気は無い。だが、何だこの数―――ふざけてる」

「□□□△」

「先陣切るって? いくらお前でも無理だ」

「□□―」


バーバラは不満そうだが、数の多さでは無理がある。真正面から戦うには難がある。

歯痒いが違うルートを考えた時だった。



バコンッ!!


殉教者の半数が砂煙と瓦礫と共に吹き飛んだ、俺とバーバラは目を丸くして眺めてると―――。


「ここどこ? 教会はどっち?」


金髪ロリ少女が現れた、見た目からして俺と同じ年齢かな。いやまて見た目が魔法少女の服装だと!? 異界に異界な素質が来た!! っと内心驚く俺である。



「殉教者だらけですよコルネ」

「そうだけど、教会に帰らなきゃならないよ? 後、マスターって呼んで」

「聖教祖の教会はさっき爆発しましたよ。 帰る所なくなりましたけど、どうします? マスター」

「えー。じゃ、悪魔に分からせる」

「何でですか?」

「拳で」

「ぶ、物理的!? マスターは相変わらず脳筋ですね」

「行こユズ」

「あ、マスター待ってください」


最近のロリは怖い、物理的に破壊に目覚めた様な鬼神。殉教者を次々殴り吹き飛ばして、最後に杖の意味がない振り回し。

数百いた殉教者は全員吹き飛ばされて気絶、金髪ロリは――――魔法少女である。



「なんかヤベェやつ教会に居るんだな」


この戦地は魔法少女に任せて、俺は父が居る主要都市ミッドガルの入口付近まで遠回りだが何とか辿り着く。 苦戦気味の青年と父アルトの姿に、加勢しようとした瞬間――――。


「二人の戦いを邪魔するなんて野蛮ね」


可憐な声と共に、細剣が振り抜かれた。

バーバラが間一髪で俺の間に入り剣で弾いた。



「―――バーバラなんのつもり?」

「□□□△△△△―――※※※!!」

「誰がアバズレ巨乳姫だ!!」

「通じるんだ」

「バーバラ言ってる事は大体は悪口さ」

「□□※※※!!」

「止められたら苦労しないわ!!」



なんか仲間ぽいけど、スタイル良くて破格だなおい!? っと――――。


キャサリンの方を俺は眺めた。赤い瞳に黒いオーラが燃えるように身に纏ってる。

父ともう一人の青年は、防御が限界で下手に動いたら死ぬ。それだけ早く強い一撃。



「あんな状態で入れるわけない、飛び込むなら命知らずか馬鹿のどちらかよ」

「いやそれより父死んだら、全て始まるんだよ」

「ん? それはどうゆう意味よボーイ」




キャサリンは苛立ち始めた、足を止めた。


「な、何をする気だ!!」

♥」


剣を天に翳すと黒い稲妻が落ち、刀身が巨大化したようなデカい刃が現れる。


「なんだありゃ!?」

「全ての魔力を解き放ったな。避けろ!!」


そのまま振り落としたキャサリン、入口付近から一直線に都市を切り裂いて爆発した。



「快感♥」

「化け物めが、どんな魔力だよこれ」

「感じちゃう♥ これが悪魔の力、戦えば戦うほど火照っちゃう♥」

「癖が強い地雷系になりやがった」

「でも、時間は稼いだからバイバイ」


クスクスと笑い黒い魔法陣を展開したキャサリンは姿を消した。


「転移魔法か、追えば間に合うか」

「―――――」

「アルト?」


青年は後ろを振り返る、赤い槍がアルトの心部を貫いていた。


「あ、アルト――――!!」

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