"模擬戦" (入学式・II)

生徒会の会長が淡々と進行などを進ませて、一時間の入学式が終わりが見えて頃だった。



「ちょっといいか?」



金髪三年生貴族の一人が手を上げており、立ち上がり続くように話す。



「つまらない入学式、我々は付き合わされた。ならば、平民と模擬戦を行いたい」



ザワつく平民と嘲笑う貴族、俺は無言で沈黙おそらくは暇つぶし感覚だろう。

執事が武器を持って来る、生徒会や先生方は何も語らない。これはこれで酷い。



「どうした? 誰も戦わないのかい? せっかく場を与えたんだ、やる気あるものはいないのかい」



俺は戦うつもりは無い、すぐに勝ってしまうからだ。にしても―――このは実に重い。祝福ムードが台無しだな。



だが、一人手を上げる。ゆっくりと立ち上がる。



「おや? 君は二学年生か。私の相手するのかい?」



グレーの髪の毛にバンダナをした少年、ブレザーの色は赤である。二年生。



「ちょいと面白そうだからよ、それに貴族が負けたらそれはそれで見所あるからな」



平民各学年は、ザワザワする。

耳に入る話は、目立ちたがり屋って話になる。俺的にはそいつは貴族が気に入らないだけかと思う。ただ、やり合うとなれば話が違う。ある意味勇敢だ。




「名は?」

「スパーク、お前は?」

「スペル・ド・三世。 では、始めようか」



模擬戦ルールは簡単、どちらかの武器を弾いたら試合終了。使用する武器は模擬刀と呼ばれる木刀。



「ゆくぞ! 平民!!」


スペルが先制攻撃、手早い一撃は速い。

対してスパークは、木刀を巧みに扱い捌いていく。お互い中々の太刀筋。扱いは速さは良いが雑味がある。これを数分続けていた。



だが、何故だろう―――スペルのあの余裕な笑は?



そう思っていると、スパークの一撃はふくらはぎを叩いた。スペルは床に片膝を付いた。

ザワつく生徒達、どよめく貴族達――――。



「くっ!? 平民如きが!!」

「勝負ありだ、降参しろスペル!」

「ククっ」

「何がおかしい?」

「馬鹿めが!!」



スパークは懐から短剣を取り出してスパークの膝に突き刺した。

これは模擬戦のルール違反だ。 怪我させたら反則負けである。だが、誰求める気配はない。



「うぐっ!?」

「どおした? ほらほら、さっきの勢いはどこに行ったんだい?」



スパークを踏みけるスペルの顔はニチャァッとした不気味な笑みである。




「――――ッ! 卑怯な手を使ってまで勝ちてぇのかよ!!」

? 戦いの場に置いて卑怯なんて事はない。否! !!ハハ――――ッハハハハ――――!!」



高笑いが体育館に響く、スパークは立ち上がることも出来ず。反撃することは不可能だろう。ん、俺は首を突っ込む訳にも行かないが――――。



「あははッ!! ほらほら、泣けよぉぉぉ――――!! いい加減、負けを認めろよカスがァァァァ!!」

「ぐっ!! 」



見るに耐え難いな、俺は座る生徒達のすり抜けるかのように進み、二人が戦う間にゆっくり歩く。この瞬間見てるだけで、何故だろうな無性にイラつく。



「お前は誰だ? この戦いにじゃ――――」



現れた貴族男子、止めに入ったつもりだろう。だが、それも運の尽きだ。

俺は貴族男子の肩に触れた、体育館の床抜けした。



「進路を邪魔すんな貴族男子カス。さて――――」




俺チラッと俺は見た、やはり気づいてない。ならば向かうか、このバカみたいな戦いをおわらせにな。



スペルは短剣を刺したスパークの膝から抜き取り再び構えて走り出す。



「しねぇぇぇ!!」



スペルの短剣がスパークの顔を捉えていた。

俺の走力からして間に合う。ゆか床を素早く走った。スパークの顔に突き刺さる寸前、お俺の右手はスペルの握る短剣を掴んでいた。




「なっ!? なんだ貴様!!」

「新入生です」

「は? 邪魔すなよ。いきがるなよ新入生」

「パイセン、その傷で語るな」

「うぐっ―――」



俺の冷静なひと一言でスパークを黙らせる。

だが、血が盛んなのが一人いる。




「僕の邪魔をするなぁァァァ!!」

「スペルと言ったか? ならば俺が相手してやる」




短剣を持つ手を離した俺は、スペルを睨んで木刀を拾う。



「平民ごとぎが僕に楯突くなぁぁぁぁ――――!!」



突進してくるすスペルに、俺は構えて股を開き居合い切り体勢となる。



「シネェヤァァァァォ――――――!!」

「―――最古の剣技怪力一閃フルスラッシュ!!」



スペルが時差をかけてゆっくりぜ前方のステージに向かって吹き飛んだ。



再び静まりかえると、ごつい身体の老人が立ち上がる。おそらく校長先生だ。

木刀は耐えきれず、真っ二つに壊れた。



だが、顔を青くしたを先生達が俺に向かって駆け寄ってきて慌てながら言い出す。



だが、俺は「ごちゃごちゃうるせぇ!! 貴族だろうが平民だろうがか関係ねぇだろ!!」っと一喝言い放つ。




「若きものよ、よく言った。ワシはこの勇敢な判断を賞賛したい」


そのご老体の一声に、ザワザワする生徒と教員達だった―――。








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