無事ヨツンヘイムへ (雪国遭難・II)
転移した先は、真っ白でした。
肌身がさむさむすぎて、我は何をしていたのか。あれ? ここどこだっけ? 感しかない。
何だこの寒さ!!?
防寒着役に立たないって聞いてない!!
極寒である、俺は鼻水をすすりながら雪道をあるく。場所的にもわからない、ただ視界が真っ白な為に感覚が狂う。吹雪と地吹雪がダブルで俺を襲い倒す。次第になんだか眠くなる。
やばいやばい、眠く―――なってきた。
俺はあまりの寒さに、眠りについてしまう。
寒さもやがて感じなくなってきた。
――――――――――。
あぁ、暖かいな。寒さはどこに行ったんだ?
あの世じゃないよな? って信じたい。
「マスター、人を拾って来ました」
誰が喋ってる声だけが聞こえた、どっかで聞き覚えある気がする。
「人を物見たく言わないのユズ。この人、確か魔王って戦ってた人?」
「そうですね、十年前確かにいましたね。ただ、こちらと接触は無かったです」
「そんな人がこんなさむさむ国にいるって、まさか自殺?」
「それはありませんよ、ほらこの服。私達と同じ学園生ですよ」
「ほぇ? ならなんで湯船に居るの?」
「凍ってましたし、蘇生できるかと」
「ユズ、女湯よここ。私達の裸――。彼目覚めたらお嫁に行けなくなるわ」
「私らそうには思いません、むしろ襲われるくわらいなら襲います」
「ひゃっ!? ち、ちょっとユズ!! どこ触って言ってるのよバカ!!」
「モミモミ」
「ん! は、離れなさいよバカユズ!!」
「やーです」
目覚めにしては絶景、起きたら白い煙がカバーされてるから安心だけど。
いや、俺はハーレム主人公じゃないんだ。欲望は己の股下で解決だから。俺はそのまま眠ってしまった。
――――翌朝――――
俺は目覚めた、が、なんか体が重い。
腕と手を動かす、暗闇の視界で何かを掴む。
「んっ」
何やら女々しい声、しかし柔らかいなこの物体は。
「いや、あっ、んんっ!!」
甘い声が聞こえた。俺は理解した、これは女の子の胸だ。理不尽な事態が俺の脳裏を過ぎる。すぐさまに手を離し、俺は体を起こした。視界に写るのは和風な一室であると身体を過敏にビクビクする女の子。
あ、やってしまったこれはフラグが成立する。っと脳内け警報アラーム。
「お目覚めは快調かしら??」
フラグ回収来てしまった早すぎた。俺は後ろを振り返る。怒ってる金髪少女は腕を組んでいた。
「い、いやこれはその?!」
「ユズの胸はさぞかし柔らかくて揉みごたえあったでしょう。 けどね! 命の恩人にエッチなことまでしていいとは言ってないわ!!」
「いや、これは誤解だ!!」
「言い訳は寝て言いなさい!!」
「ぎゃぁぁぁぁぁ――――!!」
少女の強烈なパンチで、俺の何かが消し飛びかけたわけである。
そして、正座させられて椅子に座る金髪のツインテール少女はムスッとした表情を浮かべていた。その隣で銀髪少女はメイドの様に佇む。
「マスターやり過ぎです」
「ユズもユズよ! なんで、一緒に寝てるのよ!!」
「助けたのは私にあります。 責任は私にあるのです」
「だからってあんな事されてどうなのよ?」
「私は精霊です、マスターの分身体でもあります。なので性的なのは気にしません」
「理由になってないわよ!!」
なんかいい争ってるけど、精霊が人間に宿るって事あるのだろうか?
精霊は、召喚系に応じて使用者に従う感じだ。一定の時間過ぎると消える存在。しかしこの子の場合は、自分の身体から精霊を呼び出している。しかも常時だ、普通はありえない。
「マスター、この方は普通じゃない事ぐらい分かりますよね?」
「そりゃそうだけど、なんか気に食わないわ」
「
「違うわよ!! なんでそうなるのよ!! ―――あんたさ、十年前魔王と戦ってた人で間違いないよね?」
否定する理由もなくて、確かにあの場に居たのはラインハルトやシンジア以外にも何人か戦っていた。そうゆう君こそ、その一人なんだけどな。
「あぁ、そうだけど。そうゆう君こそ殉教者を殲滅してた人だろ?」
「見てたの!? いや、それよりも名前は? 私はコルネ、この隣にいる子はユズ」
「ルークだ。なぁ、コルネ訊かせてくれ。ここはヨツンヘイムのどこだ?」
コルネとユズは互いに顔を見合せて、そして、こう答えた。
「ここは、ヨツンヘイム・山岳地帯のキャラバン隊の郷よ」
キャラバン隊とは、隊商を意味する。
分かりやすく表すなら"旅団"だ。
あちらこちらに自立店を構えて商品を売るのが目的とされてる組織である。
馬などで荷物を運び秘境とか、人が行きそうじゃない場所まで居るとか言われてる。
郷って事だから、ここがキャラバン隊の本拠地なんだろう。極寒だから作物が腐らないからなのかな。―――それよりも学園何処だ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます