第4話 質問は先着順な出会い
_そこに、1人の少女が現れた。
「何してるの?」
透き通った美しい声。その声から、彼女の感情を探ることはできない。
「は?お前誰だよ」
「いや、私が先に質問した」
少女は表情一つ変えることなく、彼の真正面に近づいた。紫がかった瞳は、真っ直ぐ彼を見つめている。
「こいつ、ムカつくんだよ」
彼が、少年を指差した。サイドの子どもたちは、少女を見ようとしない。
「言葉で対抗できなくなって、次は暴力。随分わかりやすいのね」
少女は、彼から目を逸らさない。
「ナメてんのか!」
彼の顔が、みるみる赤く染まってゆく。
「カルナ」
「は?」
「私は、カルナ」
少女はようやく彼から目を逸らすと、彼を横切り、少年のもとに跪いた。
「ごっ…ごめんね」
鼻を啜りながら、少年は言った。
「謝る必要なんてない。ありがとうでいい」
少女はそう言って、少年に手を伸ばした。
少年は、ポンチョの袖で顔をゴシゴシと擦ると
「ありがとう」と、真っ赤な鼻を顔の真ん中に置いて、満面の笑みを浮かべた。
そして、少女の手を取り立ち上がった。
泣きかたをおしえて 気まぐれなハリネズミ @kiyo1015
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