人生とは、世界でたったひとつ存在する、その人だけの素晴らしい物語だ。
- ★★★ Excellent!!!
あの頃。
若かったあの頃。
地図に無い街を探すのではなく、誰もが地図そのものを持っていなかった。
不安と戸惑いの中、見つけた恋の光。
風に吹かれ消えようとするその光が照らす道を、それでも唯一の道と信じ。
必死に守り歩く若き日々。
恋はやがて愛に変わり、
喜びは厳しさに変わる。
それでも歩き続ける人生は、あの頃夢見た輝きに満ちたものには程遠く、
何気ない平凡な日々だけが過ぎていく。
ある時、自身の歩んで来た道を振り返ると、
いつしか、若い輝きも消え去ったことに気づく。
しかし、必死に日々を過ごしてきただけの道が、実は強く輝いていた事にも気づく。
自分の人生を語るこの物語は、年齢を重ねたからこその光を僕たちに見せる。
決して順調ではなかった人生。
しかし、穏やかな作者の優しさそのままに、軽やかに語られていくその人生。
作者は、教えてくれます。
その人が、大切に過ごしてきた人生の光をほんの少しわけていただく。
それが、文学というものだと。
おすすめの作品。
ぜひ、お訪ねください。