ローバの充日

@88chama

第1話 「ローマの休日」を拝借 

 孫の誕生でおばあさんになった。

しかし高齢者と呼ばれる歳にはまだ暫くあったから、その間は誰にもおばあさんなんて呼ばれたことはなかった。お世辞と分かっていながらも、若いとか年齢を聞いてビックリされることに喜びを感じていたから、初めて他人からおばあちゃんと呼ばれてショックを受けた。


 おばあさんなんだから当然のことと自分に言い聞かせて何年か経るうちに、そんなことはどうでもよくなってきたからそれは良かった。

 十分に慣れて来た頃、何かで老女という文字に目が止まると、今度はああ、私は老女の仲間入りなのかとちょっとだけ気にかかり、更にそこから発展するとまたまた老婆という言葉にひっかかってしまった。


 いや、いいのいいの、なぜ目くじらたてるのか馬鹿な私よ!と自分に問うてみると、老女はまだよしとしても老婆の文字が、言葉が、響きが、と気に入らない要素が分かった。

ならばどうしましょう。


 そこで考えたのがカタカナでお洒落に書いたらどうでしょうか。世界的に有名なシンガーで女優のシンディー・ローバーだっていますしね。あっ違いました、彼女はローパーであってローバーではありませんでした、失礼。

 よって老婆をローバと書き、ちょいとRを英語っぽく発音することと致しました。



 さてあの有名な映画「ローマの休日」を「ローバの充日」ともじって何をしたいのか、ということですが、さあどう致しましょうか。

 「ローバ」の命名に納得した今、充日の意味を何とこじつければよいのでしょう。

自分で作った言葉に意味を持たせねばなりません。

 そこで考えたのが充実した日で「充日」なり、と。



 では私は日々充実して暮らしているのでしょうか。否です、全く、全然、です。

何故にそんなに力んで言うのでしょう。 毎日ダラダラ過ごしている自分を顧みて、不真面目な自分に攻撃の矢を放っているからです。


 高齢者の私にはもうすぐ後期という名のおまけも付きます。そこで一日の終わりに今日も「ローバの充日」だったなをテーマに暮らしていこうと決めました。せっかく元気で長生きさせていただいているのですから、感謝を込めて過ごしたいのです。



 何年も、いや何十年も前に何気なく書いてみた童話が数編と、短編か中編か何か変な編?な「小説もどき」、「のようなもの」、が一作あるので、それらと日々感じたことを投稿して楽しんで行きたいと思います。 


ああそう考えただけでもう充日な日となる私なのです。



 *** お若い方にはこんなことで喜びを感じているローバ(もう使っちゃいました)がいるんだな、と思っていただけたら幸いです。***

 



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