第46話 交流会スタート‼︎
迎えた交流会当日。
天気は清々しいほどに快晴だった。
曇り空一つなく、逆てるてる坊主(雨降れの呪い)は全く持っての無意味だったらしい。
(……うん、知ってた。降水確率なかったし)
天気の神様を恨みながら晴也は高校へと向かった。ズル休みでもしようかと悩みはしたが、今回晴也が休めば班に迷惑をかけることに他ならない。
それに沙羅から半ば目をつけられてしまっている身でもあり、妹から強制させられてもいる。
下手な行動は慎まなければならない状態にあった。
有り体に言えば、詰んでいるのである。
気分が全く晴れないなか、高校へと着くとバスが何台も校庭に陳列してあった。
否応なく交流会が始まることを晴也は痛感してしまう。
「……あっ、赤崎さん」
と、そこで目をつけたらしい沙羅が晴也の元へと駆け寄ってきた。
……あの目立つのでこないで欲しいんですが。
彼女はS級美女の一人。
そんな彼女が駆け寄って話でもしてきたあかつきには、男子達から鋭い視線を浴びせられるに違いないのだ。
だが、あくまで同じ班だろうから……といった理由からかそれほどまでに視線は感じない。
助かった、と晴也は安堵する。
「おはようございます! その、班行動頑張りましょうね」
「あ、あぁ……」
「それと」
そこでわざとらしく耳元で沙羅は呟く。
ポツリ、と一言だけ添えて。
「……自由行動あったら一緒に回りましょ」
「……え」
返事をする前にすすっと距離を取って沙羅は晴也のもとを去っていった。
ん? 自由行動? 一緒に回る?
頭の中で整理できてもいないのに、今度は同じ班員である佑樹が茶化しに晴也のもとまでやってくる。
「ひゅー、なんだか知らないが姫川さんと良い感じみたいだな、赤崎」
「これはそんなんじゃないって」
「そっか、そうだな」
どこか納得してない様子でケタケタ笑う佑樹。晴也はそんな彼に呆れる他なかったが……凛、そして結奈の二人はじーっと誰にも気づかれない様に晴也に視線を飛ばしていた。
((沙羅に先越されちゃったみたいだね……))と。
————そして、いよいよ波乱の交流会が幕を開けるのだ。
(……もうお腹痛い)
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
あとがき
いつもお世話になっております。
脇岡こなつ(旧)ダブリューオーシーです。
このたび……角川スニーカー文庫様から刊行している本作について告知がございます。
『なぜかS級美女達の話題に俺があがる件3』
つまるところ、本作の第3巻目が発売することになりました!
発売日は【6月28日】です。
何卒よろしくお願いいたします。
【Web版】なぜかS級美女達の話題に俺があがる件 脇岡こなつ(旧)ダブリューオーシー @djmghbvt
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