第22話

「わぁ〜、これですか?」


牲架が銃を持ちながら言う。


「あ、サタン様…そんな物騒な物…」

「…にしても、結構重いんだね…。」


側近のミヅキが心配そうに言う。


「こうやってぇ…」


牲架が部屋のドアに向かって銃口を向ける。


「引き金引いたらぁ……『パ〜ンッ』て…」


カ…チャ…


        ー「撃てたりして」ー



次の瞬間、『パンッ!』と乾いた音がした。



       ー「………………………」ー



そして、沈黙。…からの、ドアに弾丸。


「は…ははは……、ほ…本物だったね……コレ…」


牲架は力が抜けた声を出した。


「軽々しく人の物を触るな」


「はい…ごめんなさい…」


ギルバートは少し強めな口調で言った。


**


「おい狐」

「あ、はい」


ギルバートが化け狐の真白に話しかける。


「そういう事でいいって事だよな?」


その意味深な質問には、人間の二人以外は分かっただろう。


「はい…『あちら』もどうやら本気みたいなので…」


その会話に追いつけない牲架と凪。


「あの…『あちら』もと言うのは…」


牲架の質問に真白は、


「はい、さっきの天使のかたの事です。命を狙われてる以上、“こちらもそれ相応の対処をする”という神様の考えで皆さんにこれをお持ちした次第です」


今の真白の話で理解したのか、弟の凪は「なるほどね」と変な返しをした。


もう一人はというと…


「『それ相応の対処』って?」


       ー…………………………。ー


沈黙は流れ…、


「お前の兄貴はだな」

些々波が凪を見て言った。


「失礼だな。兄さんは“鈍感”じゃなくなんだよ」


と、凪も些々波を見て自信満々に言った。


**


「えーと、つまりですね?を使って、“バッタバッタッ”とやっちゃう訳ですよ」


真白が身振り手振りでサラッと説明する。

でも凪はしっかりと聞き逃さなかった。


「おい化け狐、兄さんにサラッとって呼ぶな。兄さんは、僕の兄さんだ。お前のじゃない」


を連呼する凪は真白にそう言った。


「あっそうですね…でも自分、兄が欲しかったので…。これからずーっと、と呼ばせてください!いや…」


 

        ー「呼びます!!」ー



真白が牲架の右手を取り断言した。

そして、牲架はというと、


「ねぇ、このコ、ちっちゃくて可愛いから僕達のにする!!」


真白のクリッとした可愛い眼差しに当てられたのか、牲架も目をキラキラさせながら凪に断言した。


何を言うのも、牲架は可愛い物が好きなんだ。


そこで凪はため息を一つ…。


「はぁ…兄さん…。弟は僕だけでいい。他の鹿は必要ないよ」


その一言に、


「ちょっと!初対面の人に馬鹿“”とは失礼じゃない…!」

「そうそう!“馬鹿”とは失礼です!」

「確かに…」


悪魔のレイ・ニール・ハンガンが反論する。

ブーブーとブーイングをする三人に対し、


「いや、お前等はれっきとした鹿だ」


と、冷静に返すギルバート。


に、対して、冷ややかな視線をギルバートに送る、馬鹿三人組。


「ま、そう言うギルバートも中々のお馬鹿さんだと思うけど?」


ナツキも輪に入りギルバートをからかう。そして、


「ナツキさんも筋金入りの鹿ですよ」

側近のミヅキも輪に入る。


そしてそして…、


「お主は、変態野郎で、女の敵じゃ」


和華日奈わかひなも参戦。


そしてそしてそして、


「そうじゃー!ミヅキは変態野郎で女の敵じゃー!!」


暁も参戦したところで、


「“人の振り見て我が振りなおせ”…。暁様、この言葉の意味…知ってますか?」


些々波は、内心呆れ顔で、暁に意味深な質問をした。


「知らん。どういう意味なんじゃ?」


質問返しをされた些々波の顔は、


「辞書でも引いてろ…、ボケが…!」


氷点下100…いや、1000…いや、10000とかそれ以上(もう聞いたことがないけど)のレベル…、もう寒いんだか暑いんだか分からない……表情になっていた…。















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ただ守られてるだけじゃツマラナイので、ちゃんと手も出させて頂きます。 むかつく @um126um128

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