第179話
「はーい、みんな笑ってー」
「私が、お兄ちゃんの隣なの!!」
「私が蒼様の隣です」
「私が!!」
「私が隣だよ」
みんな、ウエディングドレスを着てギュウギュウになりながら僕の隣を奪い合っている。
今日は、僕の人生において最も大事な日である結婚式の日である。
僕がこの世界の住人ではないと告白してからかなりの年月が経った。
あれ以来、何も隠し事がなくなった僕たちの関係はさらに深まることになった。元の世界の話を聞かれたり元の世界では恋人同士はどういったことをするのかとか。それを試しに実践してみたり。
母さんと、梨美との仲も僕があのことを告白してからさらに絆が深まった。
配信活動も未だに続けていて、前世では考えられないほど配信活動でお金を稼いでいるため、そのお金を恵まれない子供たちへと気休めかもしれないが還元してたりしている。
やらない善よりやる偽善の方が良いと思っているから。
「蒼様、どうかいたしましたか?」
「ん?いや、みんなと改めて結婚出来て良かったなって思って」
「うふふ、そのセリフは私たちが言うべき言葉ですよ。..そう思いましたが、蒼様がいた世界では男性側がそういうことを仰るのですよね?」
「うーん、それは人それぞれかも」
「まぁ、とにかく私は蒼様と結婚出来て良かったなと思っていますから」
そう言ってエリーは僕に微笑みかけてくるので僕も微笑み返す。
「……前から思っていましたけれど、いつの間にかエリーは蒼様といい雰囲気になっていますよね。私も蒼様とイチャイチャしたいです」
「アリシア様とて、そこは私も譲れません」
アリシアがエリーをジトっとした目つきで見つめるが澄ました顔でカメラのほうを向く。
「えぇーっと、もう撮ってもよろしいでしょうか?」
「あ、ごめんなさい。ほら、みんなポーズ撮って」
あまりに僕たちがまとまらなさ過ぎてカメラマンさんが困ってしまったので、急いでポーズをとる。
「じゃあ、撮りますよー。はーい、三、二、一」
カメラマンさんがゼロと言い切る前に僕の周りにいたエリー、そして梨美、白金さん、シュガーちゃんが頬にキスをしてきた。
事前にそういうことを聞かされていなかった僕はビックリしてしまって多分だけれど、写真では間抜けな顔を晒しているだろう。
まぁでも、それもきっと将来何か振り返ったとき、話す話題にきっとなると思うからいいか。
これから先も僕はこの最高の恋人たち……お嫁さん達と後悔しないように過ごしていく。
辛いこともあったり、勘違いしたりすることもあると思うけれど、この人たちとならそれ以上に幸せになれるってそう確信している。
僕は、この世界に転生出来て、本当に良かった。
その様子を天から肩肘を付いて見つめていた、女神は微笑んでこういった。
「ほらね、女神に間違いなんてないでしょう?」
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これで、この物語は終了させてもらいます。
後日、何かしら要望があればアフターストーリーを出したり、出さなかったりすると思います。
ここまでこの作品を読んでくださってありがとうございました。
それと告知にはなりますが
『学年一の美少女と家族になるしかなかった』を出します。
作者の他作である義理の姉妹が好きなら多分好きな内容になっています。
クリスマス当日、作者と同じようにボッチだよ、恋人なんかいねぇよという人や同情してくれる人はどうか見てあげてください。
よろしくお願いします。
この作品を読んでくださって本当にありがとうございました。
貞操観念逆転世界で世界一の配信者を目指す。 かにくい @kanikui
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