昔書いて結局書くのやめた奴が残ってたからどうぞ。
後、今月中にはカクヨムコンテスト向けに書いたものが出ると思うからそちらもよろしくお願いします。
義理の姉妹が好きな人はきっと好きだろうなっていう内容です。
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病むまで愛される者の朝の仕事。
僕の朝は早い。
目を覚ますといつも通りの天井と、隣には僕の指をおしゃぶり代わりにしている全裸の可愛い彼女がいる。
正し、ヤンデレである。
まごうことなきヤンデレなのである。
「雪君。大好き。好き。……すき」
夢の中で盛り上がっているのか、指を吸う吸引力も高まっていて若干痛い。
「しょうがないな」
と、吸うのを一旦止めたところでそっと近くにおいてあるおしゃぶりを取り、口に差し込む。
「ちゅ、ん……す、きぃ……」
頭を撫で、そっとベットから降りる。
そして、そっと部屋を出る。
さて、ここで一旦、僕の今置かれている境遇を説明しよう。
僕の名前は桐姫雪。旧姓四宮雪。 僕が彼女の桐姫六花の桐姫家に婿入りした形となり、今に至るのだが。
ここで問題である。
何故、僕はヤンデレのひもになっているのか。
その答えは単純明快。
答えは働きたくないからである。
誰だって働きたくなんかない。もし働きたいとか思っている奴は社会経験がよほど欠如しているか、もしく誰かの役に立ちたい!とか、これがやりたい!この仕事をしている時が一番生を実感するとか思っている人だけだろう。
まぁ、僕、働いたことないんだけど。
そして運がいいことに、天は僕に味方したようで顔は童顔とも見えるし、髪型とかファッションとかにも手を加えればイケメンにも見え、スタイルもいい。おまけに身長も男性の平均身長を超え、180近くある。
そんな僕でも譲れないものがある。
それは、家事である。
流石に僕も、家でゴロゴロして飯食って、くそして、寝てる屑ではない。
一応僕には専業主夫という肩書があるのだ。それなり仕事を全うしておこうという気概は一応あるのだ。
だが、家事のすべてはやらない。
ヤンデレとは一歩間違えば地獄。正解ルートにたどり着けば天国という属性だ。だが、博打はいけない。
相手が何を考えているのかを先読みしなければいけない。
いわば、ヤンデレ思考当てゲームをしているようなものである。
例えば、毎日、僕が家事全般をやってしまうと「私の料理、美味しくないの。もしかして私、入らない子?誰かと比べてる?誰、誰と比べているの?」とか少しでも怪しまれるとゲームオーバーである。
なので、適度に家事を彼女にふらなければいけない。
そんな僕の今日の朝の仕事は朝食作りである。
冷蔵庫から適当に魚の切り身を出し、焼いていく。
並列して、適当に味噌汁も作っていく。
手際よく、働きピーっとご飯が炊けた音がし、ちょうど他のものもいい感じに作り終えた。
「さて、六花を起こしに行きますか」
寝室に行き、未だにおしゃぶりを咥えていたので外し、きれいな顔で眠っている六花を揺さぶる。
「ん、んんぅ………」
「おはよ、六花」
ぼぉーっと僕の顔を見つめて、意識がしっかりしてきたのかにこっと笑う。
「おはよう、雪」
「うん、六花もおはよう」
そうして、ぎゅっと僕に抱き着き匂いを擦り付けるように甘えてくる。
「ん、すごくいい匂い。私だけの雪。私しかいない可愛い雪。愛してる。大好きだよ」
「僕も大好きだよ、六花。愛してる」
そうして、僕も彼女の気持ちに応えてより強く抱きしめ彼女に僕という存在を刻ませる。
「にゅぅ。…ずっとこうしていたいよぉ」
「僕も」
そして、何分だろうか、抱きしめながらお互いの存在を確かめ気持ちを汲み取る。
「今日は、……お仕事行きたくないなぁ」
「いつも、そういってるけど」
「違うの、今日はなんかいつもより不安なの」
「じゃあ……」
「……ぁ。…ん」
顔をこちらに向けさせ、唇を奪う。
浅めのキスから、舌を入れ雪の口内を犯す。六花も僕に負けじと対抗しようして下を絡ませてくるがより深く、そして自分の思いを吐き出すように。
息をつくた離すと、つぅーっと橋が架かる。
「むぅ、また雪にいいようにやられた」
「それだけ、僕の気持ちが六花より強いってこと」
「そんなことないもん。…もういっ…んっ」
六花が言い終わる前にもう一度キスをする。
「もぉ。…ずるいよ」
「そろそろ、時間だよ」
「はぁーい。……帰ってきたら、私の方がずっと愛してるんだって体で教えてあげるから」
「楽しみにしてる」
「うん」
それから、六花が甘えるように僕に抱き着いてきたので抱っこしてリビングまで連れていき席に座らせ、朝食をとる。
僕が作った料理を噛み締めるように食べ、美味しいと食べている顔を見ているとすごく和む。
朝食が終わったら六花が身支度をしてせっせと動き、身支度をし終えると家を出る時間となりお見送りをするために玄関までついていく。
「今日も可愛いよ、六花」
「んふふ……褒めても何も出ないよぉ。大好き。ずっと私のものだからね」
「うん」
お化粧をして、頬を緩ませている六花はどんな人よりも可愛い。
「じゃあ、行ってくるね。これは……要らないか」
そうして、いつから持っていたのか手錠をそっと鞄に戻す。
「じゃあ、行ってきます。じゃあ……ん」
目を閉じ、唇を差し出してきたので僕はそっとそれを啄む。
「……やっぱり、行きたくない。何か嫌な予感がするの」
「じゃあ、行くのやめて今日は一緒にいる?」
「うぅ……。ゆきぃ。だいすきぃ」
「僕も大好きだよ」
そっと抱きしめ、数分ほどたち
「……行ってくる。じゃあ、待っててね」
「うん」
飼い主に見捨てられた犬のような目をして、後ろ髪をひかれながら玄関から出ていく彼女を見送る。
そして、リビングまで行き、一息つこうとして、目を閉じ伸びをして。
バンっという音とともに、僕は知らない空間にいた。