第178話

「私、こんなに幸せで良いんですかね?」

「どうして、そう思うの?」

「何となくです。十年前の私なら男性と一緒にこうして抱き合っているなんてこと考えられないですから」

「紗里、それずっと言ってるよね」

「そうですね。それくらい、蒼様と巡り合えた奇跡に感謝したいのです」

 

 紗里と今日は二人っきりのクリスマスイブを過ごしていた。


 どうして、他の恋人たちがいないのかと言うとみんなそれぞれ大人になり用事が出来てしまい、必然的に僕の護衛が仕事である紗里とだけでクリスマスを過ごすこととなった。


 クリスマスイブは駄目でもクリスマスは絶対に僕と過ごして見せると恋人たちは闘志を燃やしていた。


 僕が異世界の住人であると告白してからどれほど経ったかは正確には覚えていないがあれからかなりの時間も経ち、僕と紗里は結婚もしているしその…エッチなことだってした。


 恋人たち、全員とそういうことは結構前に済ませている。


 一対一ですることもあったし、全員ですることもあった。あの時は流石に倒れるかと思ったけれど、人間、やろうと思えばできるものだなとそう思った日でもあったな。


「何度も聞いちゃって悪いけれど、本当に何処へも出かけなくて良かったの?」

「はい。何度も言っていますが、私はあなたとこうしてくっついていたいのです。可能ならばもうこのまま死んでしまいたいくらいに」


 そう言って僕の胸に顔を埋めて「すー、はー」っと大きく深呼吸をして蕩けた幸せそうな顔を浮かべる。


 紗里はエッチなことは大好きなんだろうけれど、それよりもこうして僕の隣にいるっていう事が好きみたい。


 他の恋人たち…エリーとか梨美は結婚して数か月目までは、帰ってきたらすぐ僕を抱きしめてそのままエッチにまでしていたけれど、紗里は結婚をしてからもこうしてただ僕にずっと寄り添ってくれている。

 僕も紗里と同じようにこの時間は大好きだ。


 凄く落ち着くし、喋らなくても何も気にならない。ただお互いの鼓動を聞いて安心できるこの時間が好き。


「紗里、僕と結婚してくれてありがとう」

「ど、どうしたんですか?それは、私が言うべき言葉です。何度も言っていますが、私の人生においての一番の幸福は蒼様に出会えたことです。本当に私と結婚してくれてありがとうございます。これから先も、私と一緒に居てくれますか?」

「喜んで」

「そう、さま」

「紗里」


 紗里の潤いのある唇へとそっと自分の唇を近づけてキスをする。


 浅いキスから段々と深いキスへと変わり、いつの間にか服ははだけて結局最後までしてしまったけれど、最高のクリスマスイブになったって言える。

 

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 意外と多かった白金さんにしてみました。


 お義母さん好きが結構いて驚いた今日この頃。

 


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