第28話 蚊
蚊になって、したいことがあった。高校の時、好きだった涼子に会いに行く事だった。この前の同窓会の時、まだ実家に住んでいると言っていた。蚊であれば、家に忍び込む事は、容易い事だろう。夜に作戦を実行した。涼子が、仕事から帰ってきた。
「ただいま〜。暑い〜。先にシャワー浴びるね!」そう言うと、涼子はお風呂へ直行した。もちろん、俺はお風呂場の窓の隙間から様子を伺うことにした。白い肌、淡いピンクの乳首、Dカップはあるであろう、豊満なおっぱい、、、。むふふ、、、。
涼子は風呂から上がると、家族と夕飯を食べた。その後、自分の部屋へ行き、ベットに倒れ込んだ。涼子は短パンのジャージで、Tシャツ姿だった。涼子は、TVをつけると、寝ながら、ポテチを食べながら、お笑い番組を見始めた。「キャハハ!ウケる〜。」と言ったその時だった。「ブゥ〜〜〜!」とバカでかい屁をかましやがった。「ぷぅ〜。」ならまだ許せる。下手したら、実まで出てしまう位のでかいおならだった。しかも、その後、おしりをボリボリとかき始めた。まるでどっかの親父じゃねーか。これには俺もドン引きしてしまった。
数時間後、涼子はウトウトしだし、寝てしまった。さっきはドン引きしてしまったが、やはり涼子は可愛かった。もっと近づいてみよう!
“ブーーーーーーン”
その甲高い音は消すことができなかった。でも、涼子はいびきをかきながら寝ている。俺は涼子の豊満な胸へ着地した。えへへ。しかし、この体では、胸の柔らかさを感じることはできなかった。
とりあえず、俺は蚊だ。涼子の血を吸ってみることにした。
「うまい!」
転生した者は、転生したあとの能力を引き継ぐらしい。今の俺にとっては、血がご馳走のようだ。調子に乗って、いっぱい涼子の血を吸ってしまった。お腹は、真っ赤になっている。「満腹、満腹。」そう思っていた、その時だった。
“ベチッ!”
俺は、死んだ。涼子の手には自分の血と、俺が潰れていた。
目の前が真っ暗になると、再び、キラキラ天使がやってきた。
「死んじゃったね♡次の転生にいっちゃう?♡」と尋ねられた。
「そうだな、、、。蚊っていう生き物も結構辛いもんだな、、、。」
「それでは、行ってみよう!蚊一匹、神の座へごあんな〜い♡」
目を開けると、神の座に再び来ていた。神様は、言った。
「長助。お前はエロいな。もっと、転生の機会を真面目に使うのじゃ。では、次に転生したいのは何じゃ?」
俺は少し考えた。俺は、憎い奴がいた。中学生の時に、俺をいじめた奴だ。そいつに復讐してやりたい、そう思った。やっぱ、毒殺だよな〜?毒があって、殺傷能力があるやつ?、、、。スズメバチ!!!
「神様、スズメバチになりたいです!!!」
「今度はエロ目的ではないであろうな?」
「はい!至って、真剣であります!」
「よかろう。そなたの望み叶えてしんぜよう。」
神様がそう言うと、俺はまた虹色に包まれた。目を開けると、俺はスズメバチになっていた。
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