第26話 終着点
あおいは、もう、死ぬ寸前であった。あおいには、看取ってくれる親族はいなかった。しかし、あおいは満足であった。最後に、神様から与えてもらった“猶予”。もう、あおいは人生に悔いはなかった。意識が遠のいていく。あおいは最後の力を振り絞り、こう言った、「お母さん、、、。お父さん、、、。りえ、、、。まなぶさん、、、。まさる君、、、。ありがとう、、、。ありがとう、、、。私は、生きていて良かった、、、。」そう言うと、あおいは静かに息を引き取った。
あおいは、電車に乗っていた。周りには誰もいない。外は、真っ暗だった。しばらくすると車内にアナウンスが鳴った。「次はー。終着駅ー。次はー。終着駅ー。」電車は速度を緩め、停まった。あおいは電車を降りた。そこにあるのは、ただ、“無”であった。しかし、あおいの心は、“幸せ”で満ちているのであった。
完
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