第25話 神の座2回目
まさるとキスをして、あおいは泣き止んだ。そして二人は、夕日が沈むまで手を繋いだ。あおいは、あぁ、さちこに乗り移って良かった。まさると付き合えて良かった。もう思い残すことはない。そう思った。すると、長助が飛んできた。あおいは「長助!今デート中!」と、思わず口を滑らせた。まさるは、「長助?」と首を傾げた。まさるには長助が見えてはいないようだ。長介は言った。「タイムリミット〜。あおい。口を大きく開けな。」あおいは、“猶予”の時間が来たかと、諦めた。でもなんで口を開けなくちゃいけないの?不思議に思いながらも、あおいは長助の言うことに従った。すると、「1名様。神の座へごあんな〜い!!」と言って長助はあおいの口の中へと飛び込んだ。あおいは一瞬意識が飛んだ。次の瞬間、あおいは、またしても神の座に立っていた。そこには、以前と同じ、虹色の光景が広がっていた。
神様は言った。「下がって良いぞ。まなぶ。」
あおいは、「えーーーーー。」と叫んでしまった。ちっちゃな天使は長助ではなかった。しかも、名前はまなぶ。もしかして、まなぶさん、天使になったの?あおいは戸惑いを隠せなかった。まなぶは言った。「あおいちゃんの驚く顔が見たかったんだ。黙っててごめんね。」
神様は続けた。「そなたの命、今、我の手中にある。そなたには選択肢を与える。好きなものを選ぶが良い。1つ目は、100歳のそなたに戻り、死という道。死後の世界は長助から教わったな。そこにあるのは“無”だ。2つ目は、現世の誰かに転生し、生活することじゃ。3つ目は、記憶を消され、赤ちゃんに転生することじゃ。4つ目は動物や昆虫、植物に転生する事じゃ。5つ目は、長助、まなぶと同じように天使として生きていく事じゃ。さて、どうする?」
あおいは、少し悩んで、結論を出した。
「私を、100歳の私に戻して下さい。」
神様は、言った。「本当に、その選択で良いのじゃな?」
あおいは、「はい。」と言った。
「そなたの願い叶えてしんぜよう。」そう神様が言うと、あおいは虹色に包まれた。
目を開けると、あおいは施設のベッドの上にいた。介護士と看護師、医者があおいを取り囲んでいた。あおいは「あぁ。楽しかった。」としわがれた声で言うのであった。
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