第19話 未来編

 あおいはベットの上で、蛍光灯を見つめていた。あおいは100歳になっていた。鼻にはチューブがつけられ、胃には穴が開けられ、栄養が流されていた。まあ、タバコと酒を飲んでいたにもかかわらず、よく100歳まで生きられたものだ。医療の進歩に感心する。

 あおいはある日風邪を引いた。熱は38.5℃。クリーニングしても3日熱は冷めなかった。あおいは肺炎になった。その晩のことである、あおいは意識が遠のくのを感じた。我慢の限界だった。そしてまた、あの幻に包まれるのであった。

 気がつくと、あおいは介護施設を見下ろしていた。

 「幽体離脱!懐かしいな〜。」としみじみと言った。あおいの体は27歳に戻っていた。しばらくすると、あの、ちっちゃな天使、“長助”が現れた。そしてこう言った。

 「あおいー。久しぶりやな。人間には寿命っちゅうもんがあるもんな。わい達にはそれがないからよう分からん。まあ、今回もな、神様は、お前に猶予を与えて下さった。ミッションの内容は自分で考えー。じゃあ、わいは行くでー。あー。かったる。」そう言って、長助は去っていった。

 あおいは健康な体に戻れた事を喜んだ。そして、「今回の私のミッション?何だろう?」と頭を悩ますのであった。

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