第12話 生を求める君へ
“拝啓 生を求める君へ
りえ。突然こんな手紙を貰っても、びっくりだよね。でも、この手紙を読んでいるということは、りえの自殺は失敗したんだね。自殺が未遂に終わって、良かったのか、私には答えられない。私は、今、自殺して、生死の境にいるの。でも、また、生きてみてもいいかなって思えたのは、りえのおかげだよ。私は、この3日で気づいたことがあるの。死を求めるって事は、生を求める事の裏返しなんじゃないかなって。りえも本当は生きたかったんだよね。笑って暮らしたかったんだよね。辛かったね。辛かったね。私は、りえの友達だよ。世界がどんなにクソまみれでも、私は、りえの友達だからね。一緒に生きて行こう!りえ!
敬具 親愛なる友 あおい”
あおいは力尽き、ボールペンを置いた。しばらくすると、玄関が開く音がした。母親が帰って来たのだろうか。安心したせいか、また意識が薄れていく。最後の力を振り絞り、あおいは「たすけて。」と叫んだ。そしてあおいは意識を失った。
母親が駆けつけ、直ぐに救急車で運ばれた。あおいは、また病院で見た幻に包まれていた。そこには階段があった。先が見えない位の階段だった。私は、なにかに誘われるように、階段を登り始めた。
数百段登っただろうか。あのちっちゃな天使が現れた。
「あおい!ミッションクリアだ!よ〜やったな〜。一時はどうなることかと思ったけど、わいのおかげやな。この先で神様が待っておられる。まあ、後、3000段位あるから。飛ぶのは無しやで〜。あ〜。かったる。」そう言って天使は、去っていった。光って見える頂上を目指して、あおいはまた歩き出したのであった。
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