第11話 オーバードーズ

 りえの家へ着いた。りえの家に着いてあおいは思った。私、空飛べるんだった、、、。てか、何で、私、幽霊なのに息があがってるのよ。それはともかく、りえの家へ入り、りえを探した。家はシーンっとしていた。1階には誰もいない。2階へと上がり、扉を開けた。私の勘は当たっていた。りえは、ベットにうなだれてぐったりしていた。机には○○心療内科クリニックと書かれた薬袋と、睡眠薬か、精神安定剤が飲み散らかされていた。りえの顔は真っ青になっていた。床には血が滴っていた。りえの手首を見ると、カッターでざっくりと切られた跡があった。早くなんとかしないと!とあおいは、りえに取り憑いて、薬を吐き出し、手首の止血をしようと思った。でも、りえがもう死んでいたら取り憑けない。そう思いながらも、あおいはりえの手を握った。“ドクンッ”あおいはりえに取り憑くことに成功した。りえはまだ死んではいなかった。薬のせいか、出血のせいかは分からなかったが、意識が朦朧としている。あおいは言うことの効かない体を、無理に立ち上がらせ、ゴミ箱に顔を埋め、口の中へ指を突っ込んだ。“吐け!薬を吐くんだ!りえ!”と願いながら指を更に奥へと突っ込んだ。

「うぇっ。」っと、溶けかかった薬が100錠位、胃液と共に出てきた。これで薬はいいだろうと、今度は止血に取り掛かった。よろよろしながら、1階へと降り、ハンドタオルを手に取った。タオルで手首を一回転させて、固結びを作り、力が入らない口で、タオルの端を引いた。これで血も止まってくれるといいのだが、、、。そこまでして、あおいは眠くなり、眠り込んでしまった。

 気がつくと、目覚まし時計は15時を指していた。まだ、意識は朦朧としていた。りえは多分助かるだろう。でも、助かっても、また自殺しようとするかもしれない。私は、最後の力を振り絞って、りえへ、手紙を残すことにした。“拝啓 生を求める君へ”

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