第4話 セブンスターの男
1日目
「あー。タバコ吸いて〜。」そうつぶやきながら街を見下ろす。誰でもよかった。しばらく様子を見ていると、タバコを吸おうとしているおじさんを発見。しかし、銘柄はハイライト。「セブンスター、セブンスター」とぶつぶつ言いながら街をぶらぶらしていると、セブンスター男を発見。「うーん。どうやって、体と精神を奪うんだ?」よく分からなかったが、セブンスター男に近づき、そっと手を握ってみた。すると、“ドクンッ”とセブンスター男の体に侵入することに成功した。
驚きよりも、まずはタバコだった。新しいタバコを手に取り、安そうなライターで火を付けた。「ふ〜。やっぱりタバコはいい。タバコは私を裏切らない。」数日ぶりのタバコで、頭が少しクラっとした。この男は、仕事に向かう途中だったのだろうか?作業服を着ている。財布の中を見ると、中には5千円札と小銭が幾らか。仕事先もわからないし、てか、仕事とかする気ないし、、、。私は、パチスロ店へと足を運ぶのだった。
5千円をどう増やすか。ART機種を打っても5千円じゃ足りない。ここは、ノーマルタイプのスロットで、一発勝負。5千円が2万くらいになればそれでいいか。座ったのはジャグラー。左下のランプがペカっと光ればボーナス確定。千円、2千円、3千円とみるみるお金が飲まれていく。しかし、5千円目、219回転目でペカっ!ビックボーナスを引く。300枚程コイン放出。この時点で止めれば、6千円の勝ち。元金引けば千円の勝ちとなる。しかし、ここで引けないのがギャンブルというもの。この日はついていた。その後もボーナスを重ね、コインを2千枚程獲得。ジャグラーは辞め時が肝心。2千枚いった所でヤメ。4万1千円の勝ち。元金引くと3万6千円の勝ちとなった。
とりあえず、店を出て、タバコをカートンで買い、牛丼でも食べることにした。
「あー。やっぱり、くだらねー。金がいくらあっても、私の心は満たされない。金じゃないんだよ。金じゃ。」牛丼を食べながら、私の目には涙がにじんでいた。
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