卑屈なシンデレラが自ら魔法使いになってガラスの靴をつかみ取るような物語

魔法学校に通う主人公は、どこにでもいるような自分に自信の持てない女の子。
金銭的に余裕のない家庭で、唯一の肉親は祖母だけ。授業料の支払いすらままならず、大好きな魔法を辞めよう、と決めた時、事態が大きく動き出します。
主人公はまるで、現代のシンデレラのように感じました。
魔法でドレス作ってもらってカボチャの馬車に乗って王子に見初められるような、古典的なシンデレラではないんです。ずっと苦労してきて、それでもまた更に苦労して努力して、自身の持つ才能でシンデレラになる女の子なんです!
周囲からの助けももちろんありますが、決して過度ではありません。そこには「あなたなら絶対できるはずよ」という期待と優しさを感じます(それには理由があるのですが、ぜひ!読んでいただきたい…!!笑)。
そして主人公は、自身がシンデレラだとは思いもしない!自分に自信がなく、どちらかと言うと「どうせ私なんて…」というタイプ。シンデレラのように「夢はきっと叶うものよ」とかそんな甘ったるいことは絶対言わない。めちゃくちゃ現実的だし、めちゃくちゃ人間らしい女の子が『特待生』というガラスの靴を、自らの努力で取りに行く物語、すごく斬新で面白かったです!
子供向け作品なので、世界観がほわほわと優しく、魔法の杖とか可愛らしい敵とかも出てきて、大人が読んでもとても癒される作品かと思います。
よもやまさか自分に娘ができたら、シンデレラよりこちらを読ませたいと思うくらい、素敵な作品です!!(シンデレラも素敵ですよね…!シンデレラ好きな人ごめんなさい…!笑)