ととのう
@haru_negami
ととのう
私達がこの世界に産み落とされたとき
世界は混沌として、いろいろな色が混ざりあった暗闇にいた。
私達はこの体に様々な色のかけらを持って生まれる。
それぞれの命がいくつの色を持ち、いくつのかけらを持って生まれるのか、
この世界にいくつの色があり、いくつのかけらがあるのか、
はじめは誰もしらないのであった。
私達はただこの世界を漂い、また別の命と出逢うのを待つ。
ある時、ひとつの命と出逢いを果たす。
私の中にあなたの色を見つけ、あなたの中に私の色を見つける。
私達は交わり、そして互いのかけらを渡し合う。互いに同じだけ与え合う。
そうしていつかは、相手の中に自分を見つけられなくなり、
離れて、また自分の命を生きる。
でも孤独ではない。自分の中には、相手の思い出のかけらを残している。
あるときは、ただ与える。
相手の中に自分の色がなくっても、
相手が私のかけらを欲している時、私達はかけらを同じ数ずつ渡し合う。
ただ相手のために。
そしてあるときは、ただ受け取る。
時が満ちる。
ひとつの命の中にあるすべてのかけらが同じ色をまとったとき、
その命は自分の色を知る。
すべての命が、それぞれの色に整う。
そうしてひとつの世界がその意味を知り、終わりを告げる。
ルービックキューブ。
ととのう @haru_negami
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