64 皇帝の御子
雪が敷きつめられた石畳に車輪の轍が続く。
無垢なる新雪は
慧玲は入れ違いに帰り、疲れきって寝台に横たわっていた雪梅嬪は皇帝の
「子が産まれたときいた」
「左様にございます」
雪梅嬪は緊張した面持ちで御子を差しだした。
珠のような
「陛下……
落胆されるだろうという想いがあった。
産むときには、
だが後になって、風がすうと胸に吹きこむような焦燥に見舞われた。
「……そうか」
皇帝は緑がかった
「ようやってくれたな、
雪梅嬪がほたりと涙をこぼす。
「ああ、有難き御言葉です。
「わかった。また、かならず、そなたのもとに渡ろう。だが、今しばらくは産まれたばかりの
雪梅嬪は安堵して、新たな命の暖もりをたいせつに抱き締めなおした。
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