古河に行きたい

 最近行きたい場所が増えた(2020年10月時点)。茨城県にある「古河」という場所だ。


 茨城県の古河と聞いてピンと来ない人のために説明しよう。


 古河とは、茨城と栃木の県境にある。室町時代には鎌倉公方足利持氏が享徳の乱で討ち取られた後、家督を継いだ遺児成氏(しげうじ)が居館を構えた土地だ。このため、成氏以降の鎌倉公方の系統は、「古河公方」と呼ばれている。


 私がこの場所に興味を持ったのは、オフ会の下見を兼ねて群馬県の桐生まで足を運んだときのこと。大宮から宇都宮線に乗り換え、小山を目指しているときに古河を通過した。


 私は趣味で関東の戦国史について調べているので、「次は、古河」という電車のアナウンスを聞いて、


「あぁ、あの古河か」


 と心の中でつぶやいた。


 降りようと思ったが、今回の目的は、オフ会の待ち合わせ場所とルートの確認。そのため、古河という場所は宇都宮線一本で行けるんだなという認識ぐらいに留めておいた。


 後日、古河についてGoogleで検索してみた。


 すると、日本全国にあまたある小京都の一つであることや、古河公方館の跡地にある公園には、江戸時代に建てられた茅葺屋根の民家(移築された)があることがわかった。


(なかなか面白い場所じゃないか)


 行く機会があったら行ってみよう。そう私は決心した。


 行けるかもしれない機会が、2週間後にやってきた。オフ会当日だ。


 早朝。私は大宮から宇都宮線に乗り、電車の吊革に揺られながら次の乗り換え地点小山を目指す。


 車両の中から見える山々と地平線、茜色に染まった空から昇った朝日を軽く拝んだり、読書をしたりしながら時間を潰す。


 このとき古河を通過したが、6時という時間帯や到着時間の問題を考慮して、途中下車するのは辞めた。


 いつかまた宇都宮線に乗る機会があったら、ゆっくりと散策してみよう。たくさんの歴史的文化財があるようだから。

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歴史と物語 佐竹健 @Takeru_As1999

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