第17話「決意」

 ハッ!



 目が覚めた。



 僕の顔を覗きこむ金髪の少女と銀髪の少女。



「君たち誰ですか? すいません、お腹が減って死にそうなんです。助けてください」


「はいどうぞ」



 金髪の少女がパンをくれた。



『相変わらずでっけえパンだなおい』




 パンを食べた。



「ああ! 思い出した! 君達はメアリーとエリスじゃないか!」


『空腹で記憶喪失って、どういうこと?』


「よかった。死んでしまったかと思いましたよ。脈がなかったので」


「セリーヌです」


「助かったよメアリー、エリス! 餓死する寸前だった!」


「いえいえ」


「セリーヌです」




 お腹を満たしたことで元気になった。



 ん?




 何か忘れているような気がする。




 その時、目の前に現れた少女を見て、記憶が一気に蘇る。



「クラリス! 君、こんなところまで僕を邪魔しにきて、一体どこまで僕に恨みがあるんだ!?」


「は? よくわからないけれど。貴方、マチョスで間違いないのよね」


「しらばっくれるつもりか!」


「うん。その難聴っぷり、マチョスで間違いなさそうね」



 クラリスは笑顔になった。


 僕を邪魔するのがそんなに楽しいのか!?



「アンタ、身体が普通になったなら、【レアムーン】に戻ってこない?」




 ん? 【レアムーン】だと? 戻ってこい?



「お断りだね! 君のような差別主義者とパーティを組む気はない!」


「そ、そう……」




 そう。僕は!




「僕は魔法学園で成り上がってみせるんだ!」



「はあ。まあ、頑張りなさいよ」



 絶対に優秀な魔法使いメイジになって、クラリスを見返してみせる!




 



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