ガチムチ追放～S級冒険者パーティを追放された魔力無しは魔法学園で成り上がる？～

第16話「豚爆散、そしてクラリスを処断する！」

　豚に囲まれ一世一代の大ピンチ。

　その時、メアリーの声が響いた。

「セリーヌさん！　【魔眼】で解析をお願いします！　対抗可能な魔法を使いますので！」

「は、はい！　ええと……あのオークキング、魔力抵抗が非常に高いです！　それを利用して物理抵抗も高めています！」

「つまり、保有魔力で全身で覆ってるってことですね！　それなら、魔力を乱します！　ディスターブ！」

　ん？

　なんか豚たちが苦しんでるぞ？

「そこの魔法使い（メイジ）の方も、協力をお願いします！　私だけでは手数が足りません！」

「わ、分かったわ！　ハイパーディスターブ！」

　おお。

　なんかよく分からないけど、豚の数が減って一体になった。

「ダメだわ！　分身体は消せたけど、本体には効いてない！」

　一体なら僕でもなんとかなるかも！

「ウオオオオオオオオオオオオオオオオ！　くらえ、渾身の風魔法！」

　僕は思い切り力を込めて拳を振るった。

　僕の手から発生した暴風で豚が爆散した。

『いや、モロにパンチ当たってたぞ』

「やった！　僕の魔法で豚を倒したぞ！」

「さすがは【オーラ使い】……いえ、オーラではないのでしたよね」

「はい。あれは純粋に異常発達した筋肉です。なんらかの力が普段は筋肉を抑えているだけのようです」

　はっ！

　豚はどうでもいい！

「クラリス！　君の工作にはもうウンザリだ！　ここで僕の魔法を使って引導を渡してやる！」

「え？　ちょっと、何を――」

「ライトニングロープ！」

　クソ！

　なぜか身体が動かない！

　これもクラリスの工作か？

「私はロイン魔法学園のメアリー、こちらはセリーヌです」

「私たちは冒険者パーティ【レアムーン】よ。私は魔法使いのクラリス。危ないところを助けてくれて、ありがとう」

「いえいえ。それでは、オークキングの魔石をもって早く外に出ましょうか。ここの危険度を報告しましょう」

「そうね。それより、こいつは……」

「引きずって連れて行きます」

　腹が減ってきた。

　目眩がする。

　僕は眠くなったので寝た。