第13話 謎の音、邂逅の予感

「エリス。覚悟はいいか?」


「え? いきなりどうしたんですかマチョスさん」



 僕の風魔法を喰らえ。


 大きく腕を振りかぶる。



「マチョスくん落ち着いて! ライトニングロープ!」



 む?


 動けない。


 なんでだ?



「ふう、危ないところでした。ところでセリーヌさん、あなたもしや【魔眼】持ちでは」


「【魔眼】? なんでしょうかそれは……」


「魔力やオーラを分析することができる能力ですよ。話には聞いていましたが、実際にもっている人を見たことはありません」


「そ、そうなんですか」




 何を話してるんだ?



 そんなことより腹が減ってきた。


 思えばもう三日は何も食べてない気がする。


『朝に山ほど食ってただろ』




「おいメアリー! 助けてくれ! このままだと餓死する!」


「はい、パンです」


『デカすぎるだろ! 巨大化マチョス並の大きさじゃねえか! どこから取り出したんだよ!』



 助かった。死ぬところだった。



「メアリーありがとう! ごちそうさま!」


「いえいえ」


『メアリー、対マチョス最終兵器だな』


「ところで二人は何を話していたの?」



 メアリーは少し黙った。



「セリーヌさんは強い人なんです!」


『その回答は正解だ。マチョスに説明は意味をなさない』


「おお! それはいいことだ! 二人共頼りしちゃうぞ!」




 これは心強い!



「迷惑をかけないよう、気をつけるよ!」


『手のひら返し早すぎだろ』



 


 そのとき、ダンジョンの奥ですごい音がした。



「な、なんでしょうか今のは」


「大きな魔法が発動された音ですね」


「気になる! 行ってみよう!」




 僕は音のする方に走った。



「待ってください! 先程の音の規模的にかなり危険な状況が予測されます!」


「わわ、置いてかないでください!」




 何が起こってるんだろう。気になるなぁ。

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