第12話「ダンジョンで風魔法習得!」『風圧』

 さて、ダンジョンに出発だ!


 ん? このダンジョンの入口、なんかデカいな。これは危険な香りがする。


『今までお前の体がデカかったから、相対的にデカく見えてるだけで、普通のダンジョンだぞこれ』



「メアリー! エリス! このダンジョンは危険度が高いと思う! 気を引き締めて!」


「はい」


「セリーヌです」



 よし、進むぞ。



 ダンジョン内は暗いけど、メアリーが光魔法で照らしてくれたからありがたい。



 ん?



「うわ! 敵だ!」



 あれはホブゴブリン!


 それなりに強いけど、魔法を覚えた僕なら!



「ライトニング!」



 あれ?



「さすがメアリーさん!」


「いえ。敵が弱いうえに弱点が私の得意魔法だっただけですよ」


「凄いな! メアリー!」



 これは負けてられないな!



 ん?



「きゃああああああああああああああああ!」


「メアリーさん、どうしたんですか?」


「あれはミノタウロスです! 今の私達に勝てる相手ではありません!」


「逃げよう! 僕が囮になるから、その間に向こうへ!」



 メアリーとエリスは安全な地帯へ逃げる。



『おお、お前の体がデカくないから味方が逃げられてる。うまくやれてるじゃん』



 

 さて、ここらで僕も逃げるぞ!


 ん?



「マチョスさん! 危ない!」


 メアリーが叫んだ。



 気づけば、ミノタウロスの振るう斧が目の前に!



 これは、死んだかも。



「うわああ」



 なんとか転がって避けられないかな。


 無理だろうな。




「グボアアアアアアアアアアアアア」



 あれ?


 なんか暴風で吹っ飛んでいった。



 もしかして、今僕風魔法使った?


『ピンチで巨大化して転がったことによる風圧だな』



「皆見てた!? 僕、風魔法を習得して、しかもミノタウロスを倒したよ!」


「あの【オーラ攻撃】はさすがです!」



 メアリーが褒めてくれた。


 嬉しい。



「よし! この調子でどんどん攻略するぞ!」


「待ってください!」



 ん?



「なんだいエリス」





「マチョスさん、魔力もオーラも使ってないですよね」



 なんだと?


 ここで喧嘩を売ってくるとは、生意気な小娘だな。懲らしめてやる。



 僕は腕をポキポキと鳴らした。



 さあ、覚悟は良いかなエリス。


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