第8話「爆炎魔法」『筋肉の放熱』

 ロイン魔法学園の入学式が行われた。


 メアリーは主席合格者ということで挨拶していた。


 何を言ってたかはよく覚えていない。



 そんなことより!



 寮生活が始まったんだけど、皆二人で一室なのに僕だけなぜか一人!


 せっかく友達を作ろうとしたのに!



 これもクラリスの工作なのか?


 追放した男には友達は作らせない、と。なんて悪質な嫌がらせだ!



『いや、お前が不意に巨大化したときに死人が出ないようにするためだと思うぞ。部屋はバカ広いし壁もめちゃくちゃ頑丈だし』



 仕方ない。


 そういえばここには友達つくりにきたわけじゃなかった。


 魔法使いメイジになるためにきたんだ。



 魔法の習得、頑張るぞ!


 ん? なんか急に部屋が狭くなったな。まあいいや。



『やっぱこの部屋に一人でぶちこんでおいた学園の判断は正しかったな。さっそく気合い入れて巨大化してるし』






 そうして魔法の講義が始まった。



 説明を聞いてもよく分からなかった。



 先生の説明が下手すぎるんじゃないのか?


 やっぱりマックの言ってた通り、この学園のレベルは疑わしいな。



『お前がバカなだけだろ。というか、説明を聞いても、とか言ってたけど、お前講義時間全部寝てたじゃん。説明聞いてすらいないじゃん』






 午後は実践授業だ。



 炎魔法の実践授業らしい。



「メガファイア!」


「おお! やっぱりマックの魔法は凄いね!」」


「ニックだ。まあ、炎魔法は俺の得意分野だからな」



 さすが王子だ。




「ギガファイア!」


「うわ! メアリーの魔法も凄いな! 的の人形が全部丸焦げだ!」


「私、また何かやっちゃいました?」


「クソ、あの田舎娘。簡単にギガファイアを使えちまうとか、腹立つ野郎だ」





 これは僕も負けてられないな!




「ファイア! ファイア!」




 全然できない。



 イライラしてきた。




「ムガアアアアアアアアアアアアアア!」


「これは危ないです! テラシールド!」


「ああ、これはさすがにやべえ! メガシールド!」




 ん?



 爆炎で的が全部塵になったぞ。



 これは確実に絶対にアブソリュートに、炎魔法の成功だ!



『ただの筋肉の放熱なんだけど、まあ実質同じだからそれでいいよもう』




「やった! 僕も炎魔法が使えるようになった! それにしてもメアリーもマックも、なんか見たことない魔法使ってて凄いね!」



「いえ、あなたの【オーラ攻撃】に比べたら大したことないですよ……なんとか先生と生徒の命は守れて良かったです……」



「すげえなマチョス。お前、爆炎魔法使えるのかよ。天才だな」



 よし!


 炎魔法習得完了!


 これからもどんどん頑張るぞ!



『というかニックもマチョス並の知能だな。こんな奴が王子って、この国は少しやばいな』




 これからも魔法をどんどん覚えて、クラリスを見返してみせる!

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