第7話「受験結果」『……』

 試験の十日後。


 僕はメアリーと受験結果を見に行った。



「マチョスさん! 私、主席合格でした!」


「ふ、不合格……? あ、ありえない。まさか、クラリスの陰謀? 学園にまで工作を仕掛けてきたのか?」


『いや、当然の結果だろ』



 これは許せない!


 魔法学園すらも手中に収めるとは、クラリスはどこまで僕に恨みがあるんだ!


『いや、そんなこといくらS級冒険者でも、一介の冒険者にできるわけないだろ。仮にも王立の魔法学園だぞ。それも他国の』


「これは抗議の必要がある! 試験官はどこだ?」



 いた!



「おい! 由緒正しき魔法学園も、ここまで堕ちたか!」


「ゴフッ」


『ああ、あの試験官死んだな……。ん? あれは学園長か?』」



「君、マチョスくんだね?」


 なんかおっさんが話しかけてきた。何の用だ?


「僕は今、悪を糾弾するのに忙しいんだ。おっさんと話している暇はない!」


「私はロイン魔法学園の学園長、ドボルザークだ。君はもしかしなくても、【オーラ使い】なんじゃないのかね?」



 ん?


 学園長?


 つまりこいつが黒幕か!



「見損ないましたよ、土木作業さん。学園長ともあろう方が、こんな卑劣な手段で僕を不合格に陥れるなんて」


「ドボルザークだ。その難聴っぷりは、間違いなく【オーラ使い】の特徴。……おい、このマチョスの不合格を取り消し、特別枠で合格させよ。この子はこの学園で二人目の、【魔力無し】の魔法使いメイジになる可能性が高い」


「僕は【魔力無し】じゃない!」


「そうだな。君は逸材だ。君の魔法学園入学を認めよう。だから、頼むからその試験官を解放してくれ。一応、私の大事な友人なんだ」


『可哀想に……そいつ、しばらくはまともに動けないぞ』



 え?


 合格!



「やったぁ! メアリー! 僕も合格だ!」


「あ、はい。よかったですね」



 よし、ここから頑張って成り上がってみせるぞ!


 決してクラリスの工作には屈しない!



 正義は必ず勝つ!




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